• 2024.04.18
  • 業務効率化

〇〇化のビジネス一覧から業務改善のアイデアにつなげよう

ビジネスでは「〇〇化」という言葉があります。例えば、見える化、標準化、デジタル化などが挙げられますが、かなりの数の「〇〇化」が存在しています。そこで、「〇〇化」のビジネス一覧を業務改善の視点から整理していき、業務改善を考えているみなさんにご説明していきたいと思います。〇〇化の言葉の意味を解説し、具体例を交えながら、業務改善のアイデアをご紹介いたします。

■〇〇化の言葉の意味

〇〇化(呼称:まるまるか)という言葉があります。ビジネスの例を挙げる可視化、標準化、組織化という使い方をされる〇〇化です。ビジネスで使う〇〇化の言葉の意味とは、ビジネスの状態が前と違ったものに‘なる’、‘変わる’ということです。もちろん企業に良い影響を与え、良い状態に‘なる’、‘変わる’という意味ですね。

「〇〇化する」というのはカタチにする、統一するという状態です。従って、ビジネス課題が解決され、目指す状態になっていなければなりません。

〇〇化の〇〇には、企業で対象となるものが存在します。それは、製品、サービス、組織、業務プロセス、新規事業など、あらゆるものが対象となります。そして、対象になるものを目指す状態に持っていく活動が〇〇化です。

目指す状態はコスト削減、売上向上、生産性向上、品質向上、顧客満足度向上など、企業によって様々であり、具体的な目的を達成するために実行されます。そして、ビジネスの〇〇化の活動によって、目指す状態の代表例が「業務改善」です。

業務改善により、生産性向上、コスト削減、品質向上などを実現できるだけでなく、多様化する顧客ニーズに対応できるため、売上向上や顧客満足度向上につながります。

■業務改善の対象や職種

業務改善の対象は、企業のあらゆる業務や職種です。代表的な例を挙げていきましょう。

★営業・マーケティング
SFA日報・活動報告、CRM顧客管理、見積・受注・売上処理の業務など

★製造
設計、生産計画、生産管理、品質管理の業務など

★物流
WMS倉庫管理、配送管理の業務など

★経理
財務会計、債権債務、固定資産、資金管理の業務など

★人事
新卒・中途採用、人材育成、人事評価の業務など

これ以外にも業務改善の対象には、技術・開発部門、経営企画部門、DX推進・情報システム部門などの様々な業務や職種があります。このように業務改善は、企業のすべて業務や職種が対象となり、改善していくべきものと言えます。

業務改善の手順は、現状分析から問題点の整理 →課題の特定 →改善策の方法や手段の検討 → 改善策の実行 →効果測定と検証などを繰り返します。業務改善の詳しい手順は本記事では割愛しますが、企業の競争力を上げるために業務改善の手順を確立させておきましょう。

■【具体例】業務改善のアイデアが出ないあなたに

業務改善はすべての業務や職種と地道に向き合いながら、改善点を探していくことが大事です。現場と話し合いを重ね、小さな改善を繰り返していく地味な作業と言えます。これはこれで、業務改善の担当者はしっかりと実行していきましょう。

しかし、業務改善にはアイデアが求められます。業務改善とは小さな改善を繰り返していく地味な作業と言いましたが、大きな視点で組織が取り組むためのアイデアを考えることも大事なのです。

アイデアのひとつの例に、組織が業務改善に向かっていくためのメッセージを作るケースがあります。その理由は、業務改善のためのメッセージがあれば、組織が動きやすいと言われているからです。そこで、業務改善の〇〇化は、わかりやすいメッセージとなり、実現のために重要な役割を果たします。

〇〇化には、可視化、標準化、組織化などの数多くの使い方があります。〇〇化を多用するのは簡単ですが、目的を達成するために「組織が動いてくれる〇〇化のメッセージ」にしなければなりません。

弊社では業務改善を実現した2,200社の顧客事例があります。(2009年10月1日から2024年3月31日までの実績に基づいた体験)。実際に顧客と現場で業務改善を経験した結果から、大きく改善できた〇〇化のメッセージとしての使い方を、具体例でご紹介いたします。なかなか業務改善のアイデアが出ないあなたに、ぜひお伝えしたいです!〇〇化のビジネス一覧から業務改善のアイデアにつなげてみましょう。

■3つの〇〇化でビジネスを考えてみよう

業務改善では製品、サービス、組織、業務プロセス、新規事業などの、企業で対象とした「〇〇化」をカタチにし、統一していきます。そして、課題が解決され目指す状態になっているのが「結果」と言えます。この結果を最終ゴールに設定します。企業の‘なりたい姿’と言ってもいいでしょう。

業務改善の結果となる〇〇化を実現するためには、計画的なやり方と具体的なやり方が必要です。まず、大きな視点で方法を考え計画を立てて、〇〇化を目指します。計画的な〇〇化が実現できたら、次は具体的な〇〇化を手段として実行していきます。そして、なりたい姿である〇〇化の結果を出し、目的を達成します。

このような3つの〇〇化でビジネスを考えてみると、次のような手順になります。

・方法 計画的なやり方の〇〇化
・手段 具体的なやり方の〇〇化
・結果 なりたい姿の〇〇化

企業で対象を決め、カタチにしていくために「3つの〇〇化」の手順で考えていくと、実行しやすいでしょう。企業で乱発される業務改善の「〇〇化」はやめて、このように一度、整理してみてはいかがでしょうか?

では、3つの〇〇化のビジネス一覧から業務改善のアイデアにつなげていくための、意味や具体例を解説していきます。

■方法 計画的なやり方の〇〇化

業務改善を実現するための「方法」とは、大きな視点で計画なやり方を考え実行することです。例えば、システム化をしたり、組織再編をしたり具体的な手段に入る前に、やるべきことが方法としての〇〇化と言えます。方法=計画的なやり方の〇〇化をご紹介いたします。

★可視化

可視化とは、目に見えない情報やデータをグラフやチャートなどの視覚的な形式で表現することです。可視化の具体例は売上推移をグラフで表示したり、営業活動や商談・案件状況を数値にしたりします。

★見える化

見える化とは、可視化した情報に加え、抽象的な概念も一緒に常に目に見える形として表示することです。このように、可視化と見える化は似ているようで少し違うのです。

見える化の具体例は、ホワイトボードにタスクを付箋で貼り出したり、オフィスに企業理念や目標や実績数値を貼りだしたりします。

ちなみに、方法としての可視化と見える化を実現したら、次に手段として、BIツールやダッシュボードの構築や社内ポータルをシステム開発していきます。方法と手段を合体させてこそ、可視化・見える化は完成すると言えます。

★定量化 

定量化とは、物事を数値や数量で表すことです。「良い・悪い」といった曖昧な表現ではなく、客観的なデータに基づいて分析や評価を行うための方法です。
定量化の具体例は、CSアンケートから顧客満足度を数値で表したり、生産部門の製品不良数や不良率を数量で表したり、営業部門の新規商談数や受注率を数値や数量で表します。まず、数値や数量で表し、現状の問題点を正確に把握するための方法が定量化です。

★顕在化

顕在化とは、潜在的に存在していたものが目に見える形になり、表面化することです。つまり、今まで気づいていなかった問題点が整理され、課題として明確になったり、潜在的な顧客ニーズが具体的に把握できたりすることを意味します。

顕在化の具体例は、CSアンケートによる顧客満足度調査では問題が見つからなかったが、顧客クレーム件数の増加によって、顧客ニーズの変化と潜在的な問題が顕在化するケースがあります。

また、ESアンケートによる従業員満足度調査では問題が見つからなかったが、優秀な従業員の離職理由によって、企業のビジョンが見えないため従業員のモチベーションが低下しているという潜在的な問題が顕在化するケースもあります。

このように、方法=計画的なやり方の〇〇化には、このような具体例があります。業務改善を実現するための方法は、大きな視点で計画なやり方を考え実行するという意味がご理解いただけたと思います。これらの〇〇化のステップを踏んで、次の手段=具体的なやり方の〇〇化に進んでいく流れが、業務改善の成功に近づくでしょう。

■手段 具体的なやり方の〇〇化

業務改善を実現するための「手段」とは、「方法」という計画的な〇〇化が実現できたら、次は具体的な手段を実行していくことです。例えば、システムを導入したり、組織再編をしたりするケースが、具体的なやり方の〇〇化と言えます。手段=具体的なやり方の〇〇化をご紹介いたします。

★システム化・IT化

システム化とは、業務の流れを明確にすることで、誰でも同じ品質の成果を生み出せるようにすることです。IT化とはシステム化の一つの手段であり、情報技術(Information Technology)を活用します。具体的にはパソコンやスマホ、ソフトウェア、ネットワークなどを導入して業務改善に役立てます。

つまり、システム化はIT化しなくても、社内標準ができたものもシステム化と呼びます。しかし、昨今ではIT活用は企業の当たり前の姿になっており、システム化が進化したものがIT化になっていると言えます。

IT化の具体例は、手作業をITに任せ業務を自動化したり、現場の情報共有と経営者の意思決定の迅速化のためにデータベースを整備したりします。

★デジタル化・DX化

デジタル化とは、アナログの情報やデータをデジタルデータに変換することです。デジタル化の具体例は、書類をスキャンしてPDF化したり、写真や動画をデジタルデータにしたりします。

DX化とは、DX(Digital Transformation)と呼ばれる生成AIやIoTなどの最新デジタル技術を活用して、ビジネスモデル、組織、業務プロセスを変革することです。

デジタル化はDX化の一つの手段であり、デジタル化によって得られたデータを活用すれば、より効果的なDX化を実現できます。

しかし、昨今のデジタル化はアナログをデジタルデータにするだけでなく、最新のデジタルテクノロジーを使うイメージが強くなっています。システム化・IT化の進化系が、デジタル化であり、業務改善だけでなく企業の新しいビジネスモデルを創り出そうとするプロセスがDX化だと言えます。

★定着化

定着化とは、業務改善の具体的な手段が広く受け入れられ、安定的に持続することです。

定着化の具体例は、前述したシステム化・IT化やデジタル化・DX化の具体的な手段が現場に根づき、実行されている状態です。つまり、業務改善のために重要な要素が定着化であり、組織の成長と成功にとって不可欠なものです。

定着化は具体的な手段を実行した結果ではなく、その手段が利用されたり、活用されたりするためのプロセスです。例えば、見える化をした後に、BIツールやダッシュボードが現場や経営者に定着しなければ、目標となる結果は出ません。従って、定着化なくして業務改善の実現はできないと言えるのです。

■結果 なりたい姿の〇〇化

業務改善を実現するための「方法」と「手段」の〇〇化が実現できたら、次はなりたい姿である〇〇化の結果を出し、目的を達成します。結果=なりたい姿の〇〇化をご紹介いたします。具体例は非常に多くなりますので、意味と共に簡潔にご説明していきます。

★標準化

標準化とは、バラバラだった企業活動を一定のルールに基づいて統一することで、効率化や安全性、品質を高めることです。

標準化の具体例は、誰でも同じ手順で活動できる営業の標準化、品質基準を作り安定した品質で提供する製品の標準化、世界の会計基準を統一し、グローバル化に対応する標準化などがあります。

★業務効率化

業務効率化とは、無駄な作業を減らし、同じ成果をより少ない時間や労力で達成することです。業務改善後の「結果=なりたい姿の〇〇化」に最も設定される目的かもしれません。

業務効率化の具体例は、業務にかかる時間を短縮したり、人件費や材料費などのコストを削減したり、社員の体力的な負担や精神的な負担を軽減したりします。

★仕組み化

仕組み化とは、誰がやっても同じ成果を出せるように考え方や言葉を統一させ、業務手順やルールを明確にすることです。そして、自動的に組織のやり方として、まわしていける状態を指します。

仕組み化の具体例は、業務の流れや作業手順を統一したり、行動規範・判断基準・責任分担などの規定や社内ルールを明確にしたりします。

前述した可視化と見える化であれば、「見えた後、どうする?」というPDCAをまわしていくのも仕組み化です。PDCAとは、計画→実行→チェック→次のアクションのサイクルですので、仕組み化そのものと言えます。

その他にも新規ビジネスを創出していくための事業化・ビジネス化・実用化や、競合他社との製品や社内教育、給与制度などを差別化する・競争力強化する、なども「結果=なりたい姿の〇〇化」に挙げられます。

みなさんも業務改善の目的を達成するためのゴールは、企業にとって何が必要なのか考えてみましょう。次のような「なりたい姿の〇〇化」のゴールからイメージして、業務改善のアイデアを検討してみてはいかがでしょうか?

■まとめ

「〇〇化のビジネス一覧から業務改善のアイデアにつなげよう」と題して、ご紹介してまいりました。3つの〇〇化でビジネスや業務改善を考えてみれば、良いアイデアが生まれると思います。

業務改善は目的を達成することが重要です。IT化やデジタル化が具体的な手段になっている今、私は業務改善に最も大事な〇〇化は「定着化」と「仕組み化」だと感じています。

どんなに素晴らしい方法論と計画があったとしても、実行されなければ目的は達成できません。実行するためには、手段の定着化と仕組み化を実現しなければなりません。

定着化のように手段が広く受け入れられ、仕組みのように業務手順やルールを明確にできる、共通の〇〇化があります。それは、「マニュアル化」です。

マニュアル化することによって得られる3つの効果 最大の注意点も紹介

マニュアル化は業務改善に欠かせません。例えば、IT化のシステム操作マニュアルをはじめ、業務マニュアルや手順書、新入社員マニュアルや中途入社向け引き継ぎマニュアル、接客マニュアルなどをマニュアル化します。

企業で数多くのマニュアル化ができていれば、実行→定着化→仕組み化が実現できます。しかし意外に、企業にはすべてのマニュアルが整備されているとは言えません。

マニュアルは企業のすべての活動において、手段に対する使い方や利用方法を指南してくれています。業務改善後の「結果=なりたい姿の〇〇化」のために、マニュアルの整備を検討してみてはいかがでしょうか?

マニュアル作成ツール「iTutor(アイチュ-ター)」は現場で使えるマニュアル作成が簡単にできます。下記にiTutorに関する詳しい資料や無料トライアルのご案内があります。ぜひ、ご利用してみてください。

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