• 2024.02.14
  • 業務効率化

リスキリング研修の重要性とは?学び直しから成長を目指せ

現代の急速なテクノロジーの進化や経済の変動により、職業やスキルの需要は絶えず変化しています。時代の変化に適応し、企業としての成長、そして競争力を維持するためにはリスキリング研修が不可欠です。本記事では改めてリスキリングの意味と重要性、リスキリング研修をスタートさせるポイントについてご紹介します。

リスキリングとは?

リスキリングとは、一般的に企業や従業員へ働く上での能力の再開発や教育を行うことを指しています。また、リスキリングは「学び直し」という側面もありますが、現代のビジネス環境は常に変化しており、新たな技術や業界の動向に迅速に対応することが求められます。 

そのため近年のリスキリングでは「学び直し」ではなく、従業員が新しいスキルを習得し、変化する状況に適応できるように進めることが求められています。企業は成長力・競争力を維持し、市場の変化に柔軟に対応できる体制を整えることが重要となってきているのです。

リスキリング研修を行う意味

現在、政府が発表する資料や各企業がリスキリングを推奨し、多くのメディアでもその重要性を発信しています。しかし、「リスキリングは本当に意味があるのか」と思う方も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。

リスキリングを行うには多くの準備が必要であり、スタートからその過程を終えるまでに多くの時間とコスト・労力を要します。そのため、見通しがつかない状態で始めるには不安を抱える部分はあるでしょう。しかし、リスキリングを行うことで得られるものは少なくありません。リスキリングが企業にもたらす効果は確実にあります。以下に3つご紹介いたします。

1.DX(デジタルトランスフォーメーション)推進の後押し

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、社内システムや提供サービスにデジタル技術を取り入れ、業務の効率化と新たな価値の創造を推進する動きのことです。DXを推進することで組織の文化や業務プロセスなど企業に多くの変化が生まれます。

その変化に対応するためには様々な知識や柔軟な考え方が必要です。ツールを導入して「今後はこのツールを使って業務の生産性を上げてください」と社内へ周知するだけではDXが進みません。つまり、業務効率化や業務改革へと繋げるためには、従業員が様々な変化に対応できるように教育を行う必要があります。

リスキリングで新しいスキルや知識の教育、デジタルツールの特長などを理解してもらうことは「ITスキルを持つDX人材の確保」という点で重要な役割を持っています。

2.社員の生産性とモチベーションの向上

リスキリングでは「社員のスキルや知識を増やすこと」が目的です。
「学び直し」だけではなく今までにはなかった新しいスキルを習得することで、社員は業務をスムーズに効率的に取り組めるようになります。業務生産性の向上へ繋げられるようになるのです。

更にスキルアップや自己啓発などが行える環境を提供することで、向上心が高い社員は自発的な学習を率先して取り組むようになります。他の社員もそれに感化され学習を進めることで、社員のモチベーションも向上し、会社全体がより高いエネルギーを持って業務に取り組めるようになります。モチベーションを高く維持できることで社員は仕事へのやりがいを感じられるでしょう。

3.社員のキャリア形成

ビジネス環境が常に変化する現代社会では、分野を問わず多くの知識を持つことが重要となります。リスキリングによって得られるスキル・知識は社員のキャリア形成にも繋がります。

例えば、デジタル技術、プログラミング、データ分析、コミュニケーション能力などは、多くの職種で求められるスキルです。多くのスキルを得る事で社内では上位のポジションに就けるようになりますし、部下の教育を行う際にも役立つはずです。

また、リスキリングは現在行っている仕事だけではなく、「将来への仕事」に備えるための投資でもあります。テクノロジーの進化や産業の変化により、新たな職種や業務が生まれる可能性は今後も大いにあります。リスキリングによって発想に柔軟性を持ち変化に対応できるスキルを身につけることで、将来の仕事により柔軟に対応できるようになります。

以上のようにリスキリングを進めることで多くの効果を得る事ができます。個人だけでなく、会社として現代社会での生存と成功に不可欠と言ってもよいと言えるのではないでしょうか。

リスキリング研修で3つの課題とその解決策

ここまでの説明で、企業にとってのリスキリングの重要性はご理解いただけたかと思います。しかし、実際にリスキリング研修を社員に実施する上でよく出てくる課題が3つあります。それは以下のような3つの内容です。

・リスキリングの重要性が社員にあまり伝わらない
・スタートしたものの、学習スピードが思ったより遅い
・研修の成果があまり感じられない

なぜこのような課題が出るのでしょうか。その解説と解決策をお伝えします。

1. リスキリングの重要性が社員にあまり伝わらない
まずはリスキリングの重要性についてです。重要性が伝わらないまま研修をスタートしてしまった場合、本気で取り組むべきなのかが理解されず、学習自体に身が入らない事態が生まれます。

学生の時、受験に関係ない科目は手を抜いてしまうイメージでしょうか(そんな経験ないよ!という方には謝罪します…)。研修を行う対象は学生でなく、就業中の社会人であることを忘れてはいけません。業務と学習を両立させるには、受講者となる社員の主体性だけに任せるだけではなかなか実現が難しいです。

〇解決策:リスキリングに対するマインドセット(意識の切り替え)

これまでは「業務をこなす」という意識だったところから、「会社の存続、自分のキャリア向上のためにスキル開発に取り組みながら業務をこなす社員」という意識へ切り替えてもらうことが重要です。

リスキリング研修をスタートする前に全社員に向けた説明会などを実施してから行うのが良いでしょう。また、研修実施側も意識を切り替え、リスキリング研修に必要なツールの導入・社内の体制を整える準備も進めます。研修の成功には実施側・受講者側共に研修の必要性を理解してもらうことが重要です。

2. スタートしたものの、学習スピードが思ったより遅い
リスキリング研修対象者への研修をスタートしたものの、予定よりも学習が進まないという状況が多々発生します。その度に研修進捗度合いを確認しても「通常業務に時間を取られてしまい進まない」といった理由で返答されることも少なくありません。 

確かに業務で忙しいのも理解できますが、それでは一向にリスキリング研修は進みません。ではどのように進めてもらうのがよいでしょうか。

〇解決策:リスキリング研修へのモチベーション向上施策

この課題への解決策としては、リスキリング研修へのモチベーションが落ちてしまわないように、初めから施策を用意しておくことが大事です。

例えば、リスキリング研修での成果によって報酬やインセンティブを提供することで、モチベーションを向上させるといった方法です。事前に成果に対する報奨制度を導入し明確にすれば、社員が研修に取り組む際のモチベーションを高めます。

また、成果に応じて昇進やキャリアの機会を提供することも、モチベーションを維持するための重要な施策でしょう。業務と並行して学習する負担は大きい物です。そこを成果によってしっかりと評価するよ!という姿勢を企業として提示してあげましょう。

また、業務時間内で学習を進めることに、上司や同僚の仕事の状況を考えると取り組みづらいと感じる人もいるでしょう。こういった状況を起こさないためにも、リスキリング研修の重要性を会社全体で意識統一してスタートすることが重要なのです。研修対象者が学習に取り組みやすい環境をしっかりと整えてあげましょう。

3.リスキリング研修による成果が出ない
リスキリング研修が終了してから、受講者に研修でのスキル取得状況を確認したところ、思っていた成果が得られなかったという結果になることもあります。それではせっかくの研修が無駄になってしまいます。研修コストや研修期間を無駄にしないためにも、学習管理は綿密に、出てきた課題へは早いタイミングで対策を講じる必要があります。

〇解決策:研修の実施方法はeラーニングで!

研修を成功させて成果を出すためには、学習管理が大切です。何を学ばせるのかではなく、「研修で何を学び、どんなスキルをいつどのように習得していったのか」を明確にしましょう。

研修方法として「対面研修」や「外部セミナーやスクールの活用」も行えますが、オンライン学習の「eラーニング」でリスキリング研修を実施できます。eラーニングならいつでもどこでも好きな時間に学習を進めることができ、受講者の負担を減らせます。また、反復学習ができるため、スキル取得を効果的に行えます。

eラーニングを進める際の資料や教材は、LMS(学習管理システム)ベンダーが提供する既存の教材もあれば、自社でオリジナルの教材を作成して配信することも可能です。自社のニーズに合わせてeラーニングを進められるため、次のような対応ができます。

・自社サービスに特化した専門スキルを取得してもらいたい
・汎用的な能力を学んでもらい、全体的なスキルの底上げを図りたい
・社員の時間を無駄にせず、効率的に研修を進めたい

このような要望にもeラーニングでは対応できるようになります。

社内の状況や要望に合わせて、対面研修や外部セミナーやスクールの活用、eラーニングでリスキリング研修を進めるのかしっかりと検討しましょう。

■まとめ
「リスキリング研修の重要性とは「学び直し」から成長へ」と題して、ご説明してまいりました。

「リスキリング研修」は、変化しつづける現代のビジネス社会において、急速な変化に適応し、企業としての成長、そして競争力を維持するためにはリスキリング研修が不可欠です。従業員が基礎的な知識を学び直し新しいスキルを習得することで、企業は成長力・競争力を維持し続けられます。

労働人口が減少し、必要な人材を必要な時に雇用することが難しくなっている昨今、企業内での人材育成はとても重要です。人材は「人財」とも言われます。

社員の成長を促し、自社で働いてもらうことが自身のキャリアアップにもなり、モチベーションの向上につながります。もっと会社に貢献したいと思ってもらうことが会社の成長にもなるはずです。未来を見据えリスキリング研修を実施し、時代の変化に適応できる会社となっていきましょう。

当サイトでは、マニュアル作成や業務マニュアルづくりを効率化したい方へ、ダウンロード資料を多数ご用意しております。ぜひ資料をダウンロードいただき、伝わるマニュアルづくりを目指すためにご活用ください。