• 2024.06.26
  • マニュアル作成ノウハウ

新入社員の早期戦力化を実現できるマニュアルとは?中途採用・新人・若手にも効果的な方法を解説

新卒や中途採用した社員が早期戦力となるにはどうしたら良いのか・・・と悩まれている企業の教育ご担当者様は多いのではないでしょうか。新入社員、中途採用、新人や若手を早期戦力化するために、研修やOJTでの教育は欠かせません。しかし、研修やOJTで伝えたつもりがしっかりと伝わっていなかったり、新入社員がなかなか一人立ちできなかったり、戦力化に時間がかかってしまうという課題も多いものです。

その理由は、一度の研修や個別のOJTでは十分に伝えられない情報が残ってしまうからです。そこで、重要になるのがマニュアルです。細かな情報や業務内容はマニュアルとしてまとめておけば、いつでも・どこでも・誰でもすぐに確認ができるため、情報の伝え漏れや、確認不足を防げます。新入社員の早期戦力化に、マニュアル作成は一番の解決策なのです。

記事では新入社員にスポットを当ててご説明していきますが、マニュアル作成は中途採用、新人や若手の早期戦力化にも有効的ですので、ぜひご活用ください。
新入社員マニュアルの必要性と効果的なマニュアル作成のコツをご紹介いたします。

新入社員の早期戦力化にマニュアルが重要な理由

新入社員の早期戦力化に、なぜマニュアルが必要なのでしょうか。業務内容や社内ルールを伝えるのに研修やOJT、セミナーの実施はもちろん効果的です。しかし、それだけで業務内容を正しく理解し、実践するのは難しいものです。そんな時に必要となるのがマニュアルです。
まずは、新入社員の早期戦力化にマニュアルが重要な理由を考えていきましょう。

  1. 統一した情報やルールの提示
    マニュアルを作成すれば、新入社員全員に対して統一された情報を提供できます。たとえば、OJTや研修で伝えた内容をAさんとBさんで異なる理解をしていたなんて状態を防げます。

    また、人が口頭で伝える場合、伝える人によって表現が変わってしまう可能性もありますが、マニュアルを作成していればそのような情報のばらつきも発生しません。別の情報を伝えてしまったり、誤解やミスを減らすだけでなく、新入社員が正確に業務を遂行するために統一した情報の提供に役立ちます。

  2. 自主学習の強化
    マニュアルは、新入社員が自主的に学習するためのツールとしても有効です。たとえば、先輩社員にわからない内容を都度質問するが難しい場合も、マニュアルがあれば自分のペースで必要な情報を確認し理解を深められます。新入社員は自律的に学習し成長でき、教育担当者の負担も軽減されます。

    また、マニュアルは必要な時に何度でも見返せるため、繰り返し学習にも適しています。場所を選ばずいつでもどこでも確認ができるので、新入社員が疑問を持ったときや再確認したい時にもマニュアルがあればとても便利です。

  3. 業務効率の向上
    マニュアルには、業務の具体的な手順やフローが詳細に記載されているため、新入社員は短期間で業務を習得できるようになります。業務習得までの時間を短縮できれば早期戦力化が期待できます。

    また、業務中に疑問が生じた場合にも、マニュアルを確認すれば対応ができるため、業務が停滞せず全体の業務効率を高められます。新入社員が自己解決能力を高めるためにも、マニュアルの活用は有効です。

新入社員マニュアルに記載するべき項目

新入社員の即戦力化において、マニュアルの重要性がわかりました。では、実際にマニュアルを作成する際に、どのような内容を盛り込んでいけば良いのでしょうか。

効果的なマニュアルを作成するために記載するべき具体的な項目をみていきましょう。

  1. 企業のビジョンやミッション
    マニュアルには、企業のビジョンやミッションを明確に記載します。新入社員が企業の方向性を理解し自分の役割を認識できれば、組織に対して貢献すべき行動をイメージできます。組織への貢献は仕事に対するモチベーション向上にも繋がります。

  2. 社内規定・就業規則・服務規程
    社内規程や就業規則、服務規程などは社員が守るべきルールであり、入社した日からすぐに必要となる情報です。会社の基本となるルールですが、必要な情報がすぐにわからないと毎回誰かに確認をしなければならず、無駄な時間が発生してしまいます。必要なタイミングで必要な情報を確認できるようマニュアルに欠かせない項目と言えます。

  3. 業務フローや業務手順
    業務の具体的なフローや手順が詳細に記載されていると、新入社員は業務の全体像を理解しやすくなります。たとえば、業務の手順や使用するツールの操作方法など、業務に直結する内容が含まれます。業務フローや手順の説明には、テキストだけでなく、図や画像を用いて視覚的に記載するとよりわかりやすいマニュアルになります。また、部署ごとに業務内容が異なるため、それぞれの部署で業務マニュアルを用意するのが望ましいでしょう。

新入社員マニュアル作成のコツ

マニュアルに記載するべき内容が決まったら、よりわかりやすいマニュアルにするための工夫が必要です。新入社員即戦力化のための伝わるマニュアル作成のコツをご紹介します。

  1. マニュアル作成の目的を明確にする
    まずは、マニュアルの目的を明確にします。新入社員に何を学ばせたいのか、どのようなスキルを身につけさせたいのかを具体的に定めます。たとえば「基本的な業務手順の習得」や「会社の方針や文化の理解」など、目的が明確であればそれに応じた内容を構築しやすくなります。

    作成者側で目的が明確に設定されたマニュアルは、読み手(新入社員)にもマニュアルの目的が明確になり、伝えたい情報がしっかりと伝わります。

  2. 具体的な目標設定
    明確化した目的に沿って具体的な目標を設定します。目標は達成可能かつ測定可能である内容にします。たとえば「3ヶ月以内に自社サービスの紹介を一人で行えるようにする」や「6ヶ月以内にプロジェクトをリードできる能力を身につける」など、明確な目標を設定すると新入社員の成長や活動を評価しやすくなります。

  3. 簡潔でわかりやすい表現
    マニュアルは、新入社員が誰でも理解できるよう、簡潔でわかりやすい表現で記載します。専門用語や難しい言葉は避けて丁寧に記載すると効果的です。

    また、情報が過剰に詰め込まれていたり、複雑な表現が多用されていると、新入社員が混乱してしまう可能性があります。項目ごとにページを作成し、見出しをつけたり、箇条書きで端的に記載して情報を整理しましょう。

  4. 視覚的なビジュアル
    テキストでだらだらと記載されたマニュアルでは読んでもらえません。テキストだけでなく、図表やイラスト、写真を活用し視覚的に理解しやすいマニュアルを作成します。特に操作手順などは、スクリーンショットや図を活用しましょう。静止画で伝わりにくい内容は動画マニュアルを作成するのもおすすめです。

  5. テスト問題や体験型コンテンツを取り入れる
    マニュアルを読むだけでは、本当に理解できているか確認が難しい場合もあります。読んで終わりのマニュアルではなく、テスト問題や体験型のシミュレーションコンテンツなどを取り入れると、学習効果を高められ理解度を把握しやすくなります。また、新入社員は自分で確認や復習ができるようになり、繰り返し行うことで実際の業務イメージを持ちやすくなります。

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マニュアルの効果的な運用方法

効果的なマニュアルを作成しても、しっかりと運用されなければ意味がありません。作成したマニュアルをどのように運用するかがとても重要なのです。

新入社員の早期戦力化のために効果的なマニュアルの運用方法をみていきましょう。

  1. オリエンテーションでの説明
    新入社員が入社した際、まずオリエンテーションで教育マニュアルの重要性と使用方法をしっかりと丁寧に説明します。入社のタイミングで新入社員がマニュアルを活用する習慣を身につけられると、自律的に学習を進められるようになり効果的です。

    マニュアルをオンラインで提供する場合は、アクセス方法やログイン手順を説明し、スムーズな利用開始に繋げます。印刷した紙のマニュアルがある場合は、あわせて配布し活用を促進します。

  2. 定期的な確認と進捗管理
    配布したマニュアルがしっかりと活用されているのか、定期的に確認し新入社員の理解度や業務の進捗状況を確認します。たとえば、進捗管理表やチェックリストを用意し、各項目の達成状況を定期的に確認、チェックします。アナログでの確認が大変な場合は、学習管理システム(LMS)等を導入するのも方法です。しっかりと確認を行うと、新入社員ごとの理解状況や課題を早期に発見でき、適切にサポートできるようになります。

    事務的な確認作業だけで終わらせず、定期的にミーティングや1on1を実施し疑問点や困りごとをヒアリングする時間も大切です。

  3. 実践的なトレーニングの実施
    マニュアルに記載された内容をしっかりと理解し実践に結びつけるため、ロールプレイングやテストなどを実施し、実際の業務環境での対応力を強化します。マニュアルを読んで確認し、頭では理解しているつもりが、実際に対応する際に不安を感じる新入社員も多いでしょう。実践的なトレーニングを実施すれば、実務での対応力や応用力が身につきます。

    そして、トレーニング後には必ずフィードバックを行います。フィードバックは具体的かつ建設的な内容を意識し、良かった点を強調して伝えつつ、改善点も明確にすると新入社員の成長に繋がります。

  4. 継続的なサポートとフォローアップ
    新入社員がある程度自分で業務をこなせるようになった後も、定期的なサポートとフォローアップを実施します。たとえば、月次や四半期ごとに進捗状況を確認し、必要に応じて適切なアドバイスや指導を行います。

    問題なく業務対応できているように見えても、実は悩みや課題を感じている新入社員もいるかもしれません。定期的なフォローアップの機会を設け、些細なことでも相談できる環境をつくり、悩みや課題をそのままにしないようフォローしていきます。

  5. マニュアルのアップデートと改善
    マニュアルは一度作成したら終わりではなく、継続的なアップデートが必要です。業務内容や手順は変化する可能性があるため、最新の情報や業務プロセスを反映させ常に最新の状態に更新していきます。新入社員からフィードバックをもらうのも良い方法です。

    また、マニュアルの内容をアップデートした際には、新入社員に対して変更内容を通知し、必要に応じて説明を行います。前の情報がそのまま放置されないよう新入社員が常に正確な情報を確認できる状態にしておくことが大切です。

まとめ

「新入社員の早期戦力化 を実現できるマニュアルとは?中途採用・新人・若手にも効果的な方法を解説」と題して、ご紹介してまいりました。新入社員の早期戦力化において、マニュアルの重要度は非常に高いものです。

統一された情報の提供、自主学習の促進、業務フローの理解など、マニュアルは新入社員の成長を支援するための重要なツールです。

教育担当者は、わかりやすく充実したマニュアルを作成し、適切に運用しながら、新入社員が即戦力となるようサポートしましょう。

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