FAQの作り方と問い合わせ削減|自治体DXを成功させるマニュアル術

目次
「住民の利便性を高めるために、多額の予算を投じてオンライン申請システムを導入した。しかし、蓋を開けてみれば利用率は低迷し、窓口の混雑は一向に変わらない……」
「『画面が次に進まない』『使い方がわからない』という高齢の住民からの電話対応に追われ、職員が口頭で1時間近く画面操作をナビゲートしている。これではDXどころか、業務負担が増えただけではないか」
現在、全国の自治体や公共団体の管理職・DX推進担当者様から、このような悲鳴にも似たお悩みを頻繁に耳にします。
実際、デジタル庁が公表した『行政手続における悉皆調査の結果』を見ても、その深刻な実態が移り変わるデータの中で浮き彫りになっています。年間件数が100万件未満の行政手続きにおいては、オンライン化(システムの整備)が6〜7割進んでいるにもかかわらず、住民が実際にオンラインで申請した割合(オンライン利用率)は5〜6割台にとどまっているのが現状です。さらに、地方自治体への手続き単体に限れば、オンライン利用率はわずか約3割(28.1%)にまで低迷しています。
つまり、国や自治体を挙げてシステムという「ハコモノ」の整備は急速に進んだものの、それを実際に使う住民の「実運用」がまったく追いついていないという、深刻なギャップが生まれているのです。
特に平日の閉庁間際、窓口に駆け込んできた住民への対応や、何度も同じ質問を繰り返す電話応対によって、職員が本来集中すべきコア業務や企画立案業務が圧迫されているのがリアルなビジネス現場の課題です。
利用率が伸び悩み、問い合わせが減らない最大の原因。それは、導入したシステムそのものの良し悪しではありません。住民とシステムをつなぐ「周知方法」、つまり「FAQやマニュアル」が住民目線になっておらず不親切であることにあります。
本記事では、自治体の管理職やDX担当者の皆様に向けて、ITに不慣れな住民でも直感的に操作でき、職員の問い合わせ対応工数を劇的に削減するための「効率的なFAQの作り方」と、最新ツールを活用した「伝わるマニュアル作成術」を徹底解説します。
FAQ 作り方 自治体DX|システム導入後も「電話が鳴り止まない」真の原因
なぜ、住民の利便性を追求したはずのオンライン申請が浸透せず、役所の電話が鳴り止まないのでしょうか。そこには、住民がデジタル手続きを諦めて電話を選んでしまう「心理的・物理的な壁」が存在します。
住民が抱く「失敗への恐れ」とガイドの不足
まず、住民(特に高齢層やIT苦手層)は、行政手続きのデジタル化に対して強い「失敗への恐れ」を抱いています。「変なボタンを押して、間違ったデータが登録されたらどうしよう」「入力ミスをして、給付金や申請が受理されなかったら大変なことになる」といった不安です。
民間企業のECサイトであれば「買い直せばいい」で済みますが、行政手続きは一発で正確に行わなければならないというプレッシャーが働きます。この心理的ハードルを優しく取り除くための「視覚的なガイド」が圧倒的に不足していることが、オンライン申請を躊躇させる根本的な要因です。
なぜ「PDF形式の操作マニュアル」は読まれないのか?
さらに、多くの自治体がホームページ上で用意している「PDF形式の操作マニュアル」には、物理的な限界があります。
- 「読む」ことへのストレス:
「電子認証」「マイナポータル連携」といった行政・ITの専門用語が多用された長文のテキスト情報は、住民にとって解読不能な暗号に見えてしまいます。 - スマートフォン閲覧に不向き:
現在、住民の多くはPCではなくスマートフォンから申請を行います。しかし、従来のA4サイズで作成されたPDFを小さなスマホ画面で拡大・縮小しながら読むのは極めてストレスフルであり、操作の途中で離脱する原因になります。 - 情報の検索性が低い:
「自分が引っかかっているエラーの解決策」が何ページのどこにあるのかを即座に見つけられません。結果として、「PDFを探して読むより、電話で直接聞いたほうが早い」という判断に至ってしまうのです。
自治体DXにおける「FAQの作り方」の第一歩は、こうした住民の壁を理解し、住民が「これなら自分一人でも迷わずできそうだ」と直感的に感じられる仕組みを整えることにあります。
問い合わせ削減のポイント|住民が「自己解決できる」FAQ作成3つの手順
問い合わせを劇的に削減できている先進的な自治体は、住民が自己解決できる仕組みを戦略的に構築しています。以下の3つの手順を意識してFAQとマニュアルを整備することで、その品質と自己解決率は劇的に向上します。
1. 「質問形式」で住民目線のナレッジを整理する
実際に窓口や電話で寄せられた住民の生の疑問をベースに、「質問形式(Q&A)」でナレッジを整理します。
この際、行政側の都合の良い言葉(例:『住民基本台帳の変更手続きについて』)ではなく、住民が検索窓に入力する言葉(例:『引っ越したら何を出せばいい?』)に変換して目次を整えることが重要です。これにより、住民は自分の悩みとFAQを容易にマッチングできるようになります。
2. 「読む」から「見る」へのシフト(動画マニュアルの活用)
文章による長々とした説明を最小限に抑え、画像やショート動画を積極的にFAQ内に埋め込みます。「画面のこのボタンを押して、次にここをタップする」という動作を5秒の動画で見せるだけで、専門用語を使った1,000文字のテキスト説明よりも遥かに正確に伝わります。
3. 最新情報を維持する更新体制の確立
行政の制度やシステムの画面改修は頻繁に行われます。FAQの内容が古い情報のまま放置されていると、住民の信頼を失い、かえって「ネットに書いてあることと画面が違う!」という二次的な問い合わせを増やす原因になります。窓口業務の中で気づいた点をその場で修正できるような、現場職員に負担をかけない簡単な更新体制を整えることが不可欠です。
| 項目 | 従来のPDFマニュアル・FAQ | これからの「自己解決型」FAQ |
|---|---|---|
| 表現形式 | 専門用語の多い長文テキスト(A4サイズ) | 住民目線のQ&A + 直感的なショート動画 |
| 閲覧環境 | PC向け(スマホでは拡大縮小が必要で不便) | スマートフォン完全最適化(レスポンシブ) |
| 検索性 | 必要な情報がどこにあるか見つけにくい | 知りたい疑問から逆引きできるシンプルな目次 |
| 現場の運用 | 修正のたびにWordを編集してPDF化する手間 | ツールを活用し、気づいた職員が数分で更新 |
自治体DXを加速させる機能|iTutorでマニュアル作成の時間と手間を削減
「動画や画像を取り入れたFAQが良いのは重々承知しているが、日々の通常業務に追われて、マニュアルを作り直す時間も動画編集のスキルもない」
そんな自治体現場のリアルな悩みを解決するのが、マニュアル作成ツール『iTutor(アイチューター)』です。iTutorは、PCでのシステム操作を普段通り1回行うだけで、そのプロセスを自動的にキャプチャし、マニュアルのベースを瞬時に作成する画期的な機能を備えています。
- AI自動キャプチャ機能:
職員がシステムを操作した箇所のスクリーンショットを自動で撮影し、「〇〇を入力」「〇〇ボタンをクリック」といった説明文付きの吹き出しをAIが自動生成します。これまでのように、画面を1枚ずつキャプチャしてWordに貼り付け、赤い矢印を手作業で描くといった不毛な作業は一切不要になります。 - ワンソース・マルチユース(一括出力):
一度の操作記録から、動画(MP4)、ドキュメント(Word/PDF)、さらにはブラウザ上で住民が疑似的に操作体験をして学べるHTML5形式など、複数のフォーマットを一括で出力できます。これにより、動画FAQと印刷用マニュアルを別々に作る手間がなくなります。 - 自治体に嬉しい多言語対応:
自動翻訳機能(オプション)を活用すれば、作成した日本語のマニュアルを数クリックで多言語化できます。管内に住む外国人住民からの問い合わせに対しても、視覚的で分かりやすい外国語マニュアルをスピーディーに提供できるようになります。
これらの機能を活用することで、作成者である職員の負担を最小限に抑えつつ、住民にとって極めて分かりやすい高品質なFAQ・マニュアルコンテンツを量産することが可能になります。
FAQ 作り方 導入事例|奥州市がマニュアル作成工数を80%削減した秘訣
実際にiTutorを導入し、問い合わせ削減と大幅な業務効率化を両立させている先進的な自治体事例として、岩手県奥州市役所様の取り組みが挙げられます。

奥州市様では、基幹システムや庁内システムの刷新に伴い、全庁的な大量のマニュアル作成を短期間で行う必要性に迫られていました。従来のような手作業(Wordへの画像貼り付けとテキスト入力)によるマニュアル作成では、想定される総業務時間が約270時間にものぼり、職員の通常業務を大幅に圧迫することが懸念されていたのです。
そこで同市はiTutorを導入。その結果、マニュアル作成にかかる工数を80%以上も削減することに成功しました。
この事例が示しているのは、専用ツールの導入が単なる職員の「時短」にとどまらないという点です。マニュアル作成の「心理的・物理的な手間」が大幅に軽減されたことで、システムの軽微な改修があっても、FAQやマニュアルを常に最新の状態へタイムリーに維持できるようになりました。その結果、住民や職員の自己解決が促進され、窓口や電話の問い合わせが削減されるという「自治体DXの理想的な好循環」が生まれているのです。
住民サービスの満足度向上へ|iTutorで実現する「伝わる」行政マニュアルの活用シーン
iTutorの活用シーンは、ホームページ上で住民に公開するFAQだけにとどまりません。庁内全体のDX推進、および組織のレジリエンスを高めるための強力なバックアップツールとして機能します。
1. 定期異動時における「業務引き継ぎ」の効率化
自治体には宿命とも言える定期異動がありますが、複雑な専門業務の手順を手引書だけで引き継ぐのは困難です。前任者が実際のシステム操作をiTutorで動画化(5〜10分程度)しておくことで、後任の職員はそれを見るだけで実務の流れを完全に把握でき、教育・引き継ぎ時間を大幅に削減できます。
2. 新システム(電子決裁等)の操作周知
全庁的に電子決裁システムやグループウェアを刷新する際、全職員を対象とした操作説明会を何度も開催するのは膨大なコストがかかります。代わりに、iTutorで作成した「3分でわかる電子決裁の回し方」のような操作動画を庁内ポータルで共有するだけで、説明会を開くことなくスムーズなシステム移行が可能になります。
3. 庁内研修教材の内製化
コンプライアンス研修やセキュリティ研修、ITリテラシー向上研修などの動画教材を、外部の専門業者に委託することなく、専門スキルなしで簡単に内製化できます。
住民に対しては、ホームページ上での動画FAQの公開だけでなく、広報誌や申請書の隅に「書き方・申請方法動画はこちら」とQRコードを印字して案内する導線を作ることで、スマートフォンから「その場」で疑問を解決してもらう仕掛けを作れます。これこそが、住民サービスの満足度向上と、職員の負担軽減を両立させる「真の自治体DX」の姿です。
まとめ:デジタルデバイドを解消し、職員の業務負担を劇的に軽減するために
自治体DXを名実ともに成功させ、現場の問い合わせ削減を実現するための鍵は、「FAQの作り方」の刷新と、ITに不慣れな住民でも直感的に理解できる「動画マニュアル」の活用にあります。従来のPDFマニュアルが抱えていた限界を突破し、iTutorのような専用ツールを賢く現場に組み込むことで、職員は本来注力すべき「住民に寄り添った付加価値の高い業務」に貴重な時間を割くことができるようになります。
「とはいえ、いきなり全庁的な導入や大きな予算確保は難しい」という管理職・担当者様も多いのではないでしょうか。
まずは、年間を通じて最も問い合わせが多く、職員の対応時間を奪っている「特定の手続き(例:引っ越し手続きや子育て関連のオンライン申請)」を1つだけピックアップし、数分の動画マニュアルにすることから始めてみることをおすすめします。
iTutorでは、自治体様が実際の業務やシステムで効果を検証できるよう、21日間すべての機能をお試しいただける「無料トライアル」を提供しています。
また、「民間企業向けのツールは自治体のセキュリティ基準(LGWAN環境など)に対応しているか不安」「他自治体での具体的な活用事例をもっと知りたい」という担当者様のために、自治体向けの導入事例集や庁内検討用資料も無料でご用意しております。
貴庁の業務改善、そして住民サービス向上への第一歩として、まずはお気軽に資料ダウンロード、または無料トライアルにてその圧倒的な操作感を体感してください。操作説明会や個別デモのご要望も随時承っております。
