業種別活用事例

【導入事例/奥州市役所様】システム刷新に伴うマニュアル作成にiTutorを活用 業務効率化を全庁に展開目指す

ご紹介|奥州市役所様

大リーグで活躍する大谷翔平選手の地元として知名度が高まっている奥州市。岩手県内陸南部に位置する人口約10万人の都市であり、豊かな自然環境の中で生産される米やりんご、牛肉は全国区のブランドです。
近年は市を挙げてDX推進に力を入れており、行政のDXとともに教育分野のICT化などを進めています。

今回は2016年度から行政のDX推進をけん引してきた奥州市行革デジタル戦略課の菊池知之様、民間企業でのシステムエンジニア経験を持つ同課の小原朋也様にお話を伺いました。

インタビュー先:
奥州市総務部行革デジタル戦略課デジタル戦略係
デジタル戦略係長 菊池知之 様
主任       小原朋也 様

 

行政システム入れ替えでマニュアル作成が急務に

――iTutorを導入した経緯を教えてください

菊池様:奥州市は2006年に水沢市、江刺市、前沢町、胆沢町、衣川村の5市町村が合併して誕生した自治体です。合併のタイミングで、財務会計・人事給与・庶務管理・文書管理といった内部情報系システムを新たに導入しましたが、15年以上が経過して、システムの入れ替えが必要になってきました。

私は担当者としてシステム刷新の検討段階から、庁内担当部署の職員によるワーキングチームでの意見の聞き取りやシステム選定のための比較検討などを重ねてきました。その中で入れ替えに際しては新しい運用マニュアルの作成という課題が浮かび上がってきました。

調べたところ、当時のシステムに対応した運用マニュアルは全部で74個あり、総ページ数は2,000以上に上りました。大半は印刷して各職場でファイリングされていましたが、作成の形式はバラバラで、多くはパソコン画面のキャプチャの上に文字で説明してあるといったものでした。

小原様:16年の間に部署ごとに担当者が作ってきたものだったため、作成した職員によって情報の細かさやボリュームがばらばらで、この機会に何らかの方法で統一を図りたいという考えもありました。

UIの印象が決め手に。直感で使いこなせる操作性

――iTutorの導入の決め手は?

菊池様:そもそもiTutorを知ったきっかけは、全国区の研修で配布された資料でした。そこに業務効率化などに役立つツールがいくつか紹介されており、そのひとつがiTutorでした。

ネットで調べて実際にiTutorを操作してみて、UIの印象が良く、これであれば職員に使ってもらえるなと感じました。やはり日々の業務に追われる中で日常的に使用するには、色づかいやフォントといった視覚的な印象は大切です。

小原様:第一印象がプレゼンテーションソフトに近いため、直感的に操作できる点がポイントだと思います。職員は日常的にOfficeソフトを使い慣れているため、抵抗なく使用できるかと思います。

菊池様:決定するにあたっては、同種のマニュアル作成ツールとの比較・検討を行いました。ワーキングチームの検討会議でiTutorと別のツールとのデモを見てもらったところ、やはりiTutorの方が「使いやすそう」という意見が多く、スムーズに決まりました。

効率的なマニュアル作成で担当者の負担を軽減

――具体的にどのような場面でどういった方々にご活用いただいていますか?

菊池様:いずれは奥州市役所全庁に導入することを念頭に、最初の2年間は、2022年度に入れ替えた内部情報系システムを管理する部署に限定し、総務課、財政課、会計課で15人前後の職員が使用してきました。2022年度と2023年度の2年間で大きいものとしては20ほどのマニュアルを作成しました。

例えば、内部情報系システムにパスワードロックが掛かってしまった際の解除マニュアルの作成です。パスワードを一定の回数誤って入力してしまった職員から情報部門に解除依頼の電話がかかってくるのですが、マニュアルを作ったことで、直接の担当者以外でも対応できるようになりました。

小原様:各部署で使用している担当職員へのアンケートでは「マニュアルが分かりやすくなった」という声が上がっています。私自身も業務の中で実際にiTutorを使ってマニュアルを作成することがありますが、「ここでキャプチャが欲しい」と思うポイントできちんと保存してくれてあるところが、とても便利だと感じます。

Officeソフト のように、デファクトスタンダードになっているシステムとUIが近いことはやはり大きなメリットとなっており、職員は皆、操作マニュアルがなくても直感で操作できているようです。

菊池様 実は導入を決めた時点では、各課の職員がiTutorを使い始めたら、操作方法について私たちに問い合わせがあることを想定していたのですが、驚いたことに1件もありません。私自身もそうですが、「なんとなく」で操作できるのが要因ではないかと思います。

作業を分担しながら、形式統一を実現

――導入による効果をどのように捉えていますか?

菊池様:まず、定量的な効果ですが、市では新たに導入したシステムや機器の投資効果を検証するために情報化推進委員会という制度があり、iTutor導入に際してもその効果を検証しました。

以前の内部情報系システムに対応した74のマニュアル作成に要した時間はおよそ270時間だったと推計しています。それに対して、iTutor導入により80%以上の作業時間の短縮が見込まれ、マニュアル作成にかかる作業自体は間違いなく効率化が進んだと思います。

小原様:効率化以外にも効果はあったと考えています。マニュアルは作成者のセンスによって内容の粒度やデザインに差が出てしまう場合が多く、統一感のあるマニュアルを作ろうと思うと、作業を1人に集中させがちな状況がありましたが、iTutorを導入したことで、誰が作っても統一感のあるマニュアルが仕上がるようになりました。

導入によって、作業時間を圧縮するとともに、作業が分担しやすくなり、さらに仕上がりの均質化にもつながっていると思います。

菊池様:導入を決めた担当者としては、iTutorを活用してもっと多くのマニュアルを効率的に作ってもらいたいという期待はありますが、新たなシステムを導入してからのこの2年間はシステムそのものの安定稼働に注力したためにマニュアル作成まで手が回っていない面もあったため、今後はiTutorの利便性を伝え、浸透させていきたいと考えています。

動画活用で人材育成や住民サービス向上へ。市のDX推進にも寄与。

――今後、どのような活用方法をお考えですか?

菊池様:もともと全庁に展開する前提でフローティングライセンス版を導入し、今後は全部署を対象にしたiTutorの説明会を開くなどして活用を広げていきたいと計画しています。

これまで作成したものはPC操作の手順を記したマニュアルですが、さまざまな部署が利用する中で活用方法の幅も広がり、さらなる効率化や利便性の向上につながっていくだろうと期待しています。

例えば、私たち職員は災害発生時の避難所を開設するための手順を記したマニュアルを冊子で保管していますが、紙だと劣化し読みづらくなります。こういった手順書も動画で作成して、職員がスマートフォンで見ながら対応するということも想定されますし、もっと細かいことで言うと、公用車の貸し出し方法、庁舎の機械警備システムの解除方法といった操作は、確実に動画のほうが分かりやすいので、動画の活用を進めたいですね。

2024(令和6)年度からはiTutorの利用を本庁舎の全部署に広げます。行政職員は人事異動があるので、一度iTutorの利便性を実感した職員が異動先でも普及するなどして、5年くらいかけて誰でも使いこなせる状態に近づけていきたいと思います。

小原様:情報漏洩対策という点でも、紙よりも優位な点があります。また、若い世代が職員として入庁してくる中で人材育成にも動画が求められるようになると思いますし、住民サービスの中に取り入れていく可能性もあるかもしれません。

菊池:そうなれば、業務効率化という枠を超えて奥州市が掲げるDXの取り組みのひとつに位置付けられると思います。

シンプルな手順を周知することでさらなる利便性向上を

――さらに活用を進めていただくために、期待することがあれば教えてください。

菊池様:iTutorにはさまざまな機能がありますが、今の私たちにとって多いのは、画面のキャプチャに説明文を加えて保存する、というシンプルな使い方なので、そこに特化したマニュアルがあると、初めて使う人も戸惑わなくて済むかもしれません。

 

(取材:2024年4月末)
 ※データは取材時のものです

 

奥州市役所 様

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