• 2024.02.27
  • マニュアル作成ノウハウ

よくわかる!読んでもらえる作業手順書の作り方

作業手順書とは文字通り作業する人のために作られた作業手順をまとめたものです。
しかし、作り手の意識の違いによって読むのもうんざりするようなわかりにくいものから、わかりやすくまとまっているものと伝わり方も大きく差がでてしまいます。そこで、手順書とマニュアルの違いから、自社に必要な手順書項目の設定、最後にしっかり伝わる手順書作りで押さえてほしい具体的なポイントをお伝えしていきます。

そもそもマニュアルと作業手順書の違いって何?

マニュアルと作業手順書の違いを理解できていないと、目的が変わってしまい内容にも大きく差がでます。せっかく頑張って作ったのに、読まれないなんてことになりかねません。しっかり理解してから作りはじめていただくために、違いについてポイントを2つお伝えします。

マニュアルと作業手順書の違い

  1. 目的
    マニュアルは「業務全体の概要や流れ、ルール」をメインに記したものです。
    作業手順書は「具体的な作業手順」そのものを知るためのものです。
    そのためマニュアルは一般的に手順以外も含めた包括的な内容となります。
    一方、作業手順書の目的は『だれが作業しても均一な結果となる』ところにあります。まずこの違いを理解しましょう。

  2. 記載すべき範囲
    マニュアルと作業手順書では目的が違いますから、おのずと記載すべき範囲も変わってきます。
    作業手順書はだれが作業しても結果が同じになるための情報はしっかり伝えます。そのかわりに余計なことは記載しません。ここをしっかり押さえておきましょう。当ブログ『マニュアルと手順書の違いとは?作成ポイントや作成例をご紹介』にも詳しく書かれているのでぜひ参考にしてみてください。

自社の手順書テンプレートに必要な項目は?

手順書とマニュアルの違いは理解できました。ではどうやったら伝わる作業手順書がつくれるのでしょうか?まずは伝えるべき内容を整理するところから始めましょう。下記に作業手順書に記載されている一般的な項目をまとめてみました。

こちらを読んで、これから作成する作業手順書にどんな項目が必要か、または不要部分や追記が必要な部分があるかを作業者の側に立ってまず考えてみてください。繰り返しますがポイントは『作業結果が均一になるか』『不要な記載は省いたか』の2点です。

・作業概要を伝える:どの様な作業を行うのか。目的はなにか5W1Hを明確に。
・名前を付ける:作業にわかりやすい名前をつけ明確化する。 
・準備物を洗い出す:効率よく、かつ安全におこなうのに必要なものをまとめる。
・均一化の基準設定:作業結果の評価基準を定める。工数の目標時間を設定する。
・作業手順をまとめる:作業結果を均一化させるための手順を作業毎にまとめる。
・安全対策:事故を防ぎ安全に作業を行うために厳守させるべきことを決める。

今まで作成されてきた自社のワードやエクセルなどで作成された作業手順書のテンプレートがあるのでしたら、上記の項目と照らし合わせてみましょう。追記すべき内容や不必要な記載項目が見つかるかと思います。

伝わる作業手順書作りで気にすべき具体的なポイント

ここまで作業手順書を作成するにあたりまずは必要となる項目をあげ、その内容と作成する業務手順に必要な内容を吟味、整理することをお薦めしました。

ここからは伝わる手順書、つまり具体的に『わかりやすい作業手順書』にするためのポイントを解説していきます。

  • 複雑な作業手順を分解する
    なるべく同時作業を減らす工夫をすることです。
    複数の作業を同時にこなすことで、均一の結果を出すことが難しくなります。
    効率面を考えると一見非効率かも知れませんが熟練した人と、初めておこなう作業者には、その能力に大きな差があります。まずは誰もがおこなえる手順書を作成し、実際に作業させ、その結果や習熟度によって手順書を更新していきましょう。

  • テキストだけでなく、画像を用いる
    テキストだけだと、人によって読み解く力の差が作業結果に直結します。目で見る画像はテキストからの情報をさらに補強してくれるので理解度が増します。特に作業系の手順書ではテキストだけというのはお薦めできません。できる限りテキストと画像を併用することをお薦めします。伝わる作業手順書は結果的に作業効率と安全性を高めることにつながります。

  • 専門用語を連発させない
    手順書は一般的にその作業に精通した人が作成します。読む人のことを考えずに作成するとむずかしい専門用語が連発してしまう手順書もあります。専門用語には説明を加えるなど、常に読み手の理解力をイメージする事が大切です。

  • 無駄な装飾に時間を掛けない
    わかりやすい手順書を意識するあまり、見た目もがんばってしまいがちです。
    確かに適切なレイアウトや適正なフォント・サイズは、見た印象も変わってきます。
    大事なのは凝りすぎないことです。繰り返しですが手順書の目的は、誰がやっても均一な結果を出させることにあります。フォントを沢山つかったりレイアウトなども凝りすぎずシンプルなデザインを目指しましょう。何より作成者であるあなたには、更新作業がついてまわります。シンプルイズベストを心がけてください。

まとめ

「よくわかる!読んでもらえる作業手順書の作り方」と題しまして、ご説明してまいりました。マニュアルと作業手順書の違い、自社の作業手順書に必要な項目洗い出しの必要性、伝わる手順書作りで気にすべき具体的なポイントを解説してまいりましたがいかがでしたでしょうか? 

労働人口の減少に伴い技術継承の方法、また業務の標準化や効率化はどの企業にも取り組むべき課題です。作業手順書は製造業にかぎらず、作業をともなうすべての業種において今後も欠かせないものです。

さらに手順書=ドキュメントのみという考えから動画の活用、更には動画+ドキュメントのあわせて使うことで、改善、解決しようという動きが企業規模にかかわらず顕著になってきました。

特定の手法、フォーマットにとらわれず幅広い視点から伝える・理解させる方法を見直してみることがまさに企業として必要な『変化』となります。

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