• 2023.03.31
  • マニュアル作成を学ぶ

マニュアルのメリットとデメリットとは?必要性と解決策もご紹介

「マニュアル」と聞くと、まずはじめに、面倒なものとか、堅苦しいものといったようなイメージを持つ人も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

頭の中では「マニュアル」は必要なものと理解はしていながらも、どこか煩わしいものとか、困った時に確認すればいいものと感じてしまうのは、業務に慣れてくると仕方のないものかもしれません。

また、「マニュアル」を作るには時間や手間を要するだけでなく、マニュアル化する作業を理解していなければなりません。作成しなくても済むのであれば、作りたくないという気持ちもわからなくはありません。
では、そんな「マニュアル」はなぜ必要なのか?メリットとデメリットを説明しつつ、マニュアルを効率的に作成する方法を解説していきます。

マニュアルをなぜ作るのか考えてみよう

そもそもマニュアルとはどのようなものなのか?多くの方が一定のイメージを持ちつつも、実際にはかなり漠然としたイメージである気がします。

デジタル大辞泉(小学館)によれば

  1. 機械・道具・アプリケーションなどの使用説明書。取扱説明書。手引き書。
  2. 作業の手順などを体系的にまとめた冊子の類。
  3. 操作などが、手動式であること。「マニュアル車」

という記載がされています。

他の辞書やサイトを調べてみても、マニュアルとは、前述2の「作業や手順などを体系的にまとめた冊子の類」というものがマニュアルとして一般的な説明であると考えられます。

では、「作業や手順などを体系的にまとめた冊子の類」をなぜ作らなければならないのでしょうか。
その答えは、マニュアルがなかった時に起こりうる状態やリスクを考えてみると明確に見えてきます。

マニュアルがなかった時、人は何を基準に業務をおこなうのでしょうか?
おそらく、多くの場合は業務を行う人が、自身の経験値で判断し、自分が正しいと思う手順で業務を行います。
結果として、その手順で業務はうまくいってしまうかもしれません。

しかしながら、その業務の流れは本当に正しいのでしょうか?
もしかすると正しいのかもしれませんが、誰も手順をチェックすることはできないのです。
正しいか間違いかの判断もできないですし、それをチェックするポイントすらないということが起こります。

業務を作業する人自身がすべてを把握することになり、時と場合によっては同じ業務を同じ人であっても違う手順でおこなうかもしれません。つまり、完全に属人的な流れで作業がおこなわれていくことになります。

業務が属人化してしまうと、仮に業務の作業が正しくおこなわれ運用されたとしても、業務を引き継ぐことができなくなります。つまり、その業務をおこなう人が何らかの理由で不在となってしまった場合、その人がおこなってきた業務はストップする可能性がでてきます。その場合、業務の内容によっては、事業自体が継続困難になるということになりかねません。

また、昨今のように労働人口の低下や業務のDX化といったことに対応していく時に業務の手順が不明確であると「何が効率化できるのか」、「そもそもその業務手順は必要なのか」という判断もできません。

このように、マニュアルがないことで多くの弊害がうまれてくるわけです。
これらを整理していくと、マニュアルを作る意味が見えてきます。

マニュアルを作成する意味は、大きく下記のような3点が挙げられます。

【マニュアルを作成する意味】

・業務の作業標準化

正しい作業を明確化・明文化することで、作業が属人化することを防ぎます。
何が業務の正しい手順なのかという基準が確立されれば、手順に迷った時や手順が分からない状態に陥った時に、進むべき方向を示す指針ができます。
また、業務が統一されることで作業者による「業務のばらつきを抑え、品質の担保」を実現します。

・業務の継承・継続

新入社員や後継者といった他者へ業務の引継ぎを行えます。もしマニュアルがなければ、業務を教えるために1つ1つを1から考えて整理して伝えなければなりません。マニュアルがあることで、業務の引き継ぎにおける時間と労力を減らせます。

また、マニュアルがあれば、属人化した業務がストップしてしまうことを避けられます。事業の継続や事業の価値を高める意味でも重要なマテリアルで、業務に対するノウハウも蓄積していく上でも有用です。

・業務の効率化

業務手順が統一されれば、「作業の再現性が担保」され、チェック項目を確立することができます。チェック項目が確立されると「業務の課題が明確にでき、業務の改善や効率化」をスムーズに行えるようになります。つまり、最善手が打てるのもこの統一があればこそなのです。

また、経験のない業務への取り組みを容易にし、個々人の業務の幅を広げられます。

以上のように、マニュアルを作る意味は、マニュアルのない状態を考えると大きく浮き彫りになったのではないでしょうか。
それでは続いて、マニュアルにはどのような種類や活用シーンがるのか考えてみたいと思います。

マニュアルにはどんなものがあるの?種類と活用シーンを理解しよう

一般的に、マニュアルと言われるものはどんなものがあるのか考えてみると、大きく「業務マニュアル」と「操作マニュアル」の2種類に分類されます。

・業務マニュアル

業務をおこなう上での必要な知識や考え方、作業フローといった作業の基準となる内容をまとめたものが業務マニュアルです。いわゆる蓄積されたノウハウも収められています。
業務の流れだけでなく、仕組み全体を理解することができるものでなければなりません。自分が担っている作業が、業務の中のどこに位置するのかを理解できます。

・操作マニュアル

システムや機器の使用方法、防災のための手順やトラブル時の正しい対応などが記されたものが操作マニュアルとなります。
操作マニュアルは、業務の1作業について、「その操作をこのようにしてください」というように示しており、一つ一つ正解の操作を指示しています。
作業そのものが適格に行われているかチェックするためや、作業の品質を保つためのガイドブック的な位置づけのものとなります。

その他にも「取扱説明書」や「作業標準書」、「手引き」などもマニュアルと言えますが、ここでは前述の「業務マニュアル」と「操作マニュアル」の2つについて少し深堀していきたいと思います。

「業務マニュアル」と「操作マニュアル」の大きな違いとは何でしょうか?
この2つのマニュアルの違いは明確な「答え」、いわゆる「正解」が存在するかどうかです。

業務マニュアルは前述の通り、必要な知識や考え方、作業フローといった作業の基準を定めたもので大枠は把握できます。しかし、細かな点において「正解」はありません。

個々の作業においては、マニュアルを読んで個人で考え咀嚼したものから、あたらしい形の業務の実現が求められます。また、業務の対応を変えていく必要がでてくるケースも起こります。つまり「正解」はないのです。

それに対し、操作マニュアルには明確な「答え」=「正解」が存在します。
「システムや機器の使用方法、防災のための手順やトラブル時の正しい対応」を定めているのが操作マニュアルとなります。よって、ある特定の業務をおこなう際、システムをどのように操作するのか、正しく説明をしなければなりません。

以上のように、マニュアルには、明確な「答え」=「正解」が存在する「業務マニュアル」と「操作マニュアル」が存在する、というポイントを理解いただけましたでしょうか。

ここまで、マニュアルを作る意味や種類といった点を確認してきました。
次に、マニュアルの「メリット」と「デメリット」、その両側面を確認していきます。

マニュアルのメリットとデメリット

世の中にある多くのものと同様に、マニュアルにも「メリット」と「デメリット」の両側面があります。もう一度、マニュアルを作成する意味から振り返ってみましょう。

【マニュアルを作成する意味】

  • 業務の作業標準化
  • 業務の継承・継続
  • 業務の効率化

メリットは、マニュアル作成の意味と強く関連したものとなります。
次にマニュアルのメリットを7つ挙げさせていただきます。

【メリット】

  • 作業が属人化を防げる
  • 業務のばらつきを抑え、作業の再現性が担保できる
  • ミスを防ぐことができる=品質の担保が可能
  • 引き続きを容易にする=事業の継続
  • 業務の改善や効率化の実現
  • ノウハウの蓄積や事業の価値を高められる
  • 業務を教える時間が抑えられる

7つのメリットを挙げさせていただきましたとおり、マニュアルがある存在することで非常に多くのメリットが享受できます。

その一方で、下記のようなデメリットがあることも認識しなければなりません。

【デメリット】

  • マニュアル人間を生み出してしまう=自己で考えて行動することができない
  • 業務の本来の目的が失われ、マニュアル通りに作業することが目的になる
  • 創意工夫や発想の欠如を生み出す

デメリットの3点は、マニュアルを守るが故に起こりうるものです。
したがって、多少は仕方がないですが、作業を外れた予測できない事象が起こった時に、対応ができない人を生み出しかねないのも事実です。

対応ができない人を生み出すリスクを避けるためには、マニュアルの中に臨機応変の対応の記載が必要です。何のための作業なのか、作業の目的を明確にしておくことが重要でしょう。

あわせて、定期的なチェック項目を設け、「作業が本当に効率的か」を見直す機会を設けていくことも大切です。

そして、さらに気をつけなければならないデメリットがあります。それは明確な「答え」=「正解」が存在する「操作マニュアル」に注意が必要なのです。

注意しなければならないのは、マニュアルそのものの陳腐化です。「操作マニュアル」のように明確な「答え」=「正解」が存在するマニュアルは、対象のシステムの入れ替えや法令の改定による作業の変更がおこると、即座に陳腐化が発生してしまいます。

多くの場合は外的要因で発生するため、マニュアルの中身の改善とは別次元の問題です。よって陳腐化を防ぐことは不可能です。

「陳腐化」したマニュアルを放置しておくことは、あらたに下記のリスクを生み出します。

【マニュアルの陳腐化によるリスク】
  • 正しい手順が不明
  • 業務が安全に行えない可能性がある
  • 業務に対応できる人、できない人が生まれる
  • 業務の改善やリスク管理ができなくなる
  • 業務の引継ぎが不可能になる

多くのリスクがあるにもかかわらず、実際の現場をみるに「陳腐化」したマニュアルを放置しています。また変更された一部を口頭やメモで伝えるシーンが多く見受けられます。

本来であれば、このリスクを回避するためにマニュアルを定期的にメンテナンスすることが必要です。
または、実際の現場の作業を確認し、現場の意見を吸い上げてマニュアルを修正してくことが重要です。

では、なぜ「陳腐化」が起こっていくのでしょうか?

多くの場合はマニュアルを作り直す時間が設けられていないのが理由です。また、マニュアルを作る煩わしさから、作業工数が多くなり、マニュアルが古いまま放置されているのも現状でしょう。

とはいえ、マニュアル作成の煩わしさを嫌って、リスクに目をつぶっていると本来のマニュアルが持つメリットが得られなくなってしまいます。この点を改善することを考えていく必要があります。

もちろん、マニュアルがなかった時に起こりうる状態やリスクの大きさを考えると、マニュアルを作らないわけにはいきません。
そこで、この「陳腐化」を防ぐ解決方法を次にご紹介していきたいと思います。

デメリットの解決方法がひとつだけあります

「陳腐化」を防ぐ解決方法は、マニュアル作成ツールを利用することです。

マニュアル作成ツールを利用することで「陳腐化」の要因となっている、マニュアルを作り直す時間が設けられない点や、マニュアルを作る煩わしさからの作業工数増を解消できます。

例えばマニュアル作成ツール「iTutor(アイチューター)」を活用すれば、システムの操作手順マニュアルを簡単に作成できます。つまり「陳腐化」の要因が解決できるのです。

iTutorは3つのステップで、容易に「操作マニュアル」を作成することができるツールです。

1:マニュアル化したいPC操作を手順通り実行
  操作を実行したタイミングで、自動でその操作の画面を画像として取り込んでくれます。
  手動で1つ1つの操作画面を保存する必要はなくなります。

2:取りこまれたデータの編集はOffice系ソフトと同じ感覚で簡単
  記録された操作の画像の上には、実際におこなった操作の内容を示す吹き出しが自動で生成されます。
  また、操作をおこなった場所もマーキングされています。
  吹き出しの内容は簡単にテキスト編集でき、吹き出しやマーキングの大きさもマウスで簡単に調整可能です。
  一度作ったデータがあれば手順が変わった一部だけを取込み、差し替えも可能です。

3:ワンクリックで様々な形式のデータに変換
  最後はボタン一つでワードやエクセルに一発で変換でき、社内で使いたい形式がすぐに用意できます。
  さらに、同様にボタン一つで動画データも作成できます。

以上の3ステップの特徴をまとめると、下記の効果が出てきます。

【マニュアル作成ツール iTutor活用の効果】

・マニュアル化に必要な情報が短時間で収集できる
 実際の操作を行うだけで、操作画面の画像から操作説明まですべて集められます。

・できあがるデータは、均一の品質が担保される
 誰が作成しても同じ品質でデータが取り込まれます。
 説明テキストのバラつきや作成者特有の言い回しなどが排除され、
 記録したデータを変換する際の設定を同じにすれば、完成するデータの書式も統一できます。
 システムの正しい操作がわかっている方であれば誰でも作成可能です。

・作成にかかる工数が激減する
 今までひとつの手順をマニュアル化するのにかかっていた「画面の取り込み」「画像の配置」「操作説明文の作成」「操作個所のマーキング」といった多くの工数が、3ステップで完了します。

このように時間を掛けず少ない工数で作成できる「マニュアル作成ツール」は、マニュアルの更新や修正に大きな効果を上げられます。

さらに、マニュアル作成における作成者の属人化の排除や、品質の均一性といった効果も期待できます。

ツールは、1つの企業内でライセンスを共有ができ、全社でのマニュアル整備や更新にも活用ができます。プランやエディションもお客様のご利用状況にあわせて用意されているので、一度無料のトライアルプログラムを使ってその効果を試してみるのも良いのではないでしょうか。

マニュアルの「陳腐化」で生まれるデメリットを避けるために、ぜひ検討すべき不可欠なツールです。

まとめ

「マニュアルのメリットとデメリットとは?必要性と解決策もご紹介」と題しまして、ご説明してまいりました。
多くの業界で人不足が叫ばれている昨今において、人材の確保が困難です。また、社員の方々の業務効率化やDX推進の拡大が多く望まれています。

そのようななかで、マニュアルの重要性はさらに増してきています。理由は、マニュアルが業務の効率化の礎になるものだからです。

マニュアルを整えることで業務の作業標準化を実現し、業務の継承・継続を実現できます。そして事業の価値を高めていきましょう。
そのためにも、マニュアル作成ツールを活用し、効率的で質の高いマニュアル作りを目指してみてはいかがでしょうか?

当サイトでは、マニュアル作成や業務マニュアルづくりを効率化したい方へ、ダウンロード資料を多数ご用意しております。ぜひ資料をダウンロードいただき、伝わるマニュアルづくりを目指すためにご活用ください。