業務の引き継ぎマニュアル作成のポイント 雑な引継ぎにならないため
目次
退職や産休・育休、部署異動の時には、後任への業務の引き継ぎが必要になりますよね。引き継ぎ業務は、後回しにされてしまうことも少なくありません。引き継ぎが雑になってしまうことがないよう、時間のある時に少しずつ準備を進めていくことが大切です。そこで業務引き継ぎの品質と生産性を向上させるために、引き継ぎマニュアルの作り方と、マニュアル作成のポイントを6つのステップで解説いたします。
引き継ぎ資料の重要性 クレームにならないために
引き継ぎ資料のクオリティは後任が業務をする際の生産性に大きく関わります。もしも、雑な引き継ぎをしてしまうと、引き継ぎ業務の理解に時間がかかります。引き継ぎマニュアルが用意されていることを知らずにイチから作成し、無駄な時間が発生するかもしれません。
また、クライアントにも関わる業務であれば最悪の場合、クレームにもなりかねません。そうならないためにも、引き継ぎマニュアルの作成は重要な作業です。丁寧な引き継ぎが実現できて、引き継ぎ内容を振り返ることができるマニュアル作成のポイントをご紹介いたします。
引き継ぎマニュアルの作り方
では、クレームならないための引き継ぎマニュアルの作成手順をご紹介していきます。
1.業務の洗い出し
まずは、引き継ぐ業務の洗い出しをしましょう。箇条書きでドキュメントに打ち込んでも、紙に書き出す形でも大丈夫です。慣れている業務だと書き出す際の抜け漏れも多くなりがちです。抜け漏れのないように、どんな小さな作業でもまずは細かく書き出してみてください。
2.アウトプット方法に適したツールでマニュアルに落とし込む
書き出した業務をツール内に落とし込んでいきます。この際、動画でのマニュアルが適切なのか、文書でのマニュアルが適切なのかなどアウトプット方法を確定しましょう。方法が決まったら、ツール内に内容を入れていきます。
まずは、大きな項目で構成を作り、違和感がなければその後に一つ一つの項目の解説を埋めていきます。
3.写真や色分けをしてわかりやすく
文書マニュアルの場合、文章だけではわかりにくいケースがあります。このような時は業務の詳細がイメージできる写真を用意し、差し込んでいきます。特にシステム業務の引き継ぎの場合は、写真を多く使うと非常にわかりやすくなります。
また、ポイント部分には色をつけて目立たせたり、図形を使って囲んだりするなど、すぐに注目すべき点が分かるようにすることも重要です。
4.他人の目を入れてダブルチェックをしよう
もし既に同じ業務をしたことがあるメンバーがいれば、その人に業務の漏れがないかチェックをしてもらいましょう。他人の目が入ることで、無意識に抜けてしまっていた部分や、主観的でわかりにくい書き方になっていた部分が明らかにされ、客観的にわかりやすいマニュアルを作るヒントになります。
少し時間を空けて自分で読み返してみたり、実際にマニュアルを元に作業をしてみたりすることも効果的です。
5.マニュアルを元に必ず口頭レクチャーをしましょう
引き継ぎマニュアルが完成したらマニュアルを元に、直接面談やオンラインで引き継ぎのレクチャーを行いましょう。マニュアルを渡すのみで引き継ぎが済む場合もありますが、多くの場合、不明点や認識の齟齬が生まれます。そういった認識の違いを無くすために、直接レクチャーをすることが大切です。また、レクチャーで出た質問も、マニュアルに盛り込んで更新するとより丁寧です。
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業務別にご紹介 引き継ぎマニュアル作成のポイント
引き継ぎは業務別に行われるケースがほとんどです。それでは次に業務別の引き継ぎマニュアルのポイントをお伝えします。
業務別1.システム業務
システム業務の作業の引き継ぎマニュアルは「マニュアル通りに手を動かせば誰でもできる」ということを意識して作成してみてください。
画像を多く使い、どの場面でどのボタンを押すのか、ひとつひとつ丁寧に書き出していきます。システムに苦手意識のある人であれば、エラーが起こったり、同じ画面が出てこなかったりと挫折してしまう人も少なくないでしょう。
そこで、どんな時にエラーが出やすいか、どのようなトラブルが起きやすいかなど、イレギュラー時の対応も補足情報として入れるととても親切です。
業務別2.商談やプロジェクト業務
営業マンやプロジェクトメンバーが交代する際のクライアントとのやりとりの引き継ぎも、とても重要ですよね。同じサービスの商談でもクライアントによって進め方が違う場合がほとんどです。
そのため、実務的な部分を共有することはもちろんですが、各クライアントと接する際にどのような点に気を付けるべきなのか、どのような雰囲気、どのような言葉を選択するのが適切かなど、関係作りの点においても知っている情報をできるだけマニュアルに盛り込みましょう。
情報やこれまでの雰囲気を把握しておらず、商談やプロジェクトの流れが崩れてしまうと信頼の消失にも繋がります。クライアントとの関係性に支障が出ないよう引き継ぎマニュアルでしっかり情報を共有しましょう。
引き継ぎマニュアルのクオリティは生産性を大きく左右するとても大切なものです。引き継ぎマニュアルの作り方に沿って、伝わる引き継ぎマニュアルを作成してみましょう。ではマニュアル作成のポイントを次にご紹介していきます。
マニュアル作成のポイント 6つのステップでご紹介
業務の引き継ぎ時や新しいツールの導入時などに、多くの企業でマニュアルを作成する作業が発生するかと思います。しかし、いざ自分がマニュアル作成の担当者になった時、初めてだと何から手をつけて良いのか、どのように作成したら良いかわからないものですよね。そこで、担当者になった時に役立つマニュアル作成のポイントを、6つのステップでご紹介いたします。
【マニュアル作成のポイント 6つのステップ】
- マニュアル作成の目的を明確化:何のために必要なのかを明確にしましょう
- マニュアルにする内容の大まかな構成を作成:全体の流れをつくりましょう
- 各項目の作業を棚卸し:記載する細かな内容について棚卸しましょう
- アウトプット形式を決定:どんな出力方法が良いかを検討しましょう
- ツールに落とし込む:実際にマニュアルを作成しましょう
- アウトプット&格納:マニュアルを出力し、管理しましょう
それでは、6つのStepについて詳しく解説していきます。
Step1:マニュアル作成の目的を明確化
いきなりマニュアルツールへの打ち込みに取り掛かろうとしている方、一旦手を止めてください!マニュアルを作成する前に、実はとても大事なポイントがあるのです。それは「何のために、誰が必要なマニュアルなのか」を明確にすることです。
「新入社員が機器操作を確認するためのマニュアル」「担当者がいない時の緊急用サポートマニュアル」など、目的を明らかにしておけば、作成中に判断に迷うことがなくなります。
どの内容を載せるのか、どこまで詳細なマニュアルにするのか、といった線引きができ、その結果、マニュアル作成の効率化にもつながります。このステップを踏むことで、クオリティも手間も後々大きく変わります。面倒だと思っても、ぜひ一度やってみてください。
Step2:マニュアルにする内容の大まかな構成を作成
目的が明確になったら次は、大まかな構成を作成します。ドキュメントや手書きで、ざっくりとどんな内容をマニュアルにするのか大項目を並べていきましょう。並べ終わったら全体を確認し、必要のない情報があれば削除するなど、情報の精査を行いましょう。
Step3:各項目の作業を棚卸
次に、実際に手を動かし作業しながら、各大項目の内容を詳細に棚卸していきましょう。頭の中で思い出しながらよりも、作業をしながらひとつひとつ書き出していくと抜け漏れがなく安心です。
Step4:アウトプット形式を決定
内容の整理が終わったら、アウトプット方法を決定しましょう。例えば、現場作業の手順書であれば文書マニュアルではなく、動画マニュアルの方が適しているケースがあります。また研修中に講義とセットで使用するマニュアルであれば、文書マニュアルが適しているなど、目的に照らして判断することをお勧めします。
Step5:ツールに落とし込む
前述したStep3の作業で細かく棚卸できていれば、Step5の落とし込み作業はスムーズに行うことができます。実際にツールに落とし込んでみると、こちらの順番の方がわかりやすいなどの気づきもあるので、作成しながら内容やレイアウトの微調整も行いましょう。
また、写真や動画などが必要な場合はどんな素材が必要かをこの時点で検討し、準備しましょう。
Step6:アウトプットと格納
マニュアルをアウトプットし、ツールに格納すれば完成です。マニュアルデータは社内で共有し、フォルダを一元化することをお勧めします。そうすれば、マニュアルが必要になった際に社員が自らフォルダにアクセスでき、受け渡し等の工数を減らし生産性を向上させることができます。
まとめ
「業務引き継ぎマニュアル作成のポイント 雑に引継ぎにならないため」と題して、ご紹介してまいりました。業務引き継ぎマニュアルだけでなく、どんなマニュアルでも、6つのステップを押さえ、作成することでマニュアルの作り直しや行き詰まりもなくなります。ぜひ本記事を参考にマニュアル作成を行ってみてください!
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