• 2025.11.19
  • マニュアル作成を学ぶ

引き継ぎ資料の作り方がわからない?見本で解決!役所の急な異動に備えるマニュアル作成術

「3月末での異動が決まったけれど、長年担当してきたこの業務を、どうやって後任に伝えたらいいかわからない
「退職日が刻一刻と迫っているのに、年度末の繁忙期と重なって、引き継ぎ資料を作る時間が全く足りない」

行政・役所で働く皆様にとって、3月や定期異動の時期は、一年で最もプレッシャーのかかるタイミングではないでしょうか。特に、行政事務は「法令」や「条例」に基づく複雑な判断が求められるものが多く、長年そのポストにいた職員にしかわからない「暗黙知」が存在しがちです。そのため、いざマニュアルを作ろうとしても、「どこまで細かく書けばいいのか」「何から手をつけるべきか」と迷ってしまい、手が進まないという方が非常に多くいらっしゃいます。

しかし、焦る必要はありません。適切な手順と、いくつかの重要なポイントさえ押さえれば、誰でも迷わずに「後任者が感謝する資料」を作ることができます。

本ブログでは、「引き継ぎ資料の作り方がわからない」という悩みを解消し、業務の標準化にもつながる完璧な引継ぎマニュアル作成ステップを、具体的な見本を交えて解説します。これを読めば、皆さまの業務知識をスムーズに更新し、組織全体の財産として残すことができるようになります。

引き継ぎ資料の作り方がわからない原因と解消のポイント

そもそも、なぜ多くの職員が「引き継ぎ資料の作り方がわからない」と悩んでしまうのでしょうか。まずはその根本的な原因を整理し、作成への心理的ハードルを下げるためのポイントを押さえましょう。

なぜ「わからない」のか? 3つの壁

多くの場合、以下の3つの要因が複合的に絡み合っています。

  • 業務が過度に「属人化」している
    行政の現場では、特定の担当者にしかわからない業務フローや、「あの自治会との調整はこの手順でないと拗れる」といった、経験則に基づいた対応が多々あります。「自分の中では当たり前」になっている感覚的な手順を、知識ゼロの後任者に言語化して伝えるのは、想像以上に手間がかかる作業であり、筆が止まる最大の原因です。
  • 「完璧なマニュアル」を目指しすぎている
    「あらゆる例外パターンや、過去10年分の経緯まで網羅した完璧な資料を作らなければ」と責任感から気負いすぎていませんか? 最初から100点を目指すと、ゴールが見えずに手が止まってしまいます。
  • 過去のフォーマット(見本)が存在しない
    前任者からの引き継ぎが「口頭のみ(口伝)」だった場合、参考にするベースがなく、ゼロから構成を考えなければなりません。白紙の状態から書き始めることほど難しいことはありません。

解消のポイント:まずは「業務の棚卸し」から

いきなり文章を書き始めるのではなく、まずは「業務の棚卸し(リスト化)」から始めましょう。「上手な文章を書こう」とするのではなく、「業務が止まらないために最低限必要な情報は何か」という視点で考えることが、効率的な作成への第一歩です。

【見本あり】効率的な引き継ぎ資料の作り方5つの手順

それでは、実際に手を動かしていきましょう。ここでは、テンプレートがない状態からでも迷わずに作成できる、5つの具体的な手順を解説します。このステップに沿って進めることで、抜け漏れのない資料が確実に完成します。

手順1:業務の全体像とスケジュールを洗い出す

まず、Excelやメモ帳を開き、皆さまが担当している業務をすべて箇条書きで書き出します。この時、分類を意識すると整理しやすくなります。

  • 日次業務: 窓口対応、日報作成、庁内メールチェックなど
  • 週次・月次業務: 統計調査の集計報告、定例会議資料の作成、給与支払処理など
  • 年次・スポット業務: 当初予算要求、契約更新手続き、議会対応、イベント運営など

ここで重要なのは、それぞれの業務の「年間スケジュール」を可視化することです。「いつ(時期)」「何をする必要があるか」が一覧になっていれば、後任者は「4月になったらまずこれをやらなきゃいけないんだな」と心の準備ができます。

手順2:優先順位を決め、引継ぎ計画書を作成する(目次を作る)

すべての業務を詳細にマニュアル化する時間は、退職・異動までの限られた日数の中には恐らくありません。洗い出した業務に優先順位をつけます。

  • 優先度 高(必須):
    • ミスをすると市民や関係機関に迷惑がかかるもの
    • 法令や期限が厳格に決まっているもの(支払・申請など)
    • 頻度が高く、すぐに取り掛かる必要があるもの
  • 優先度 中(推奨): 頻度は低いが、手順が複雑なもの
  • 優先度 低(参考): 過去の起案文書(決裁書)を見ればわかるもの

この優先順位に基づき、マニュアルの「目次」を作成します。目次が決まれば、あとはその中身を埋めていくだけです。「目次=引継ぎ計画書」となり、上司への進捗報告にも役立ちます。

手順3:業務フローと手順を具体化する(5W1Hを意識)

ここが執筆のメインパートです。見出し(目次)に沿って、具体的な作業内容を記述します。このとき、行政文書特有の抽象的な表現は避け、「5W1H」を意識して具体的かつ平易に書くことが鉄則です。

  • 悪い例: 「関係各所に連絡して調整を行い、適切に処理する」
    これでは「誰に」「どんな手段で」「何を」調整すればいいか、新人には全く伝わりません。
  • 良い例:
    • When(いつ): 毎月5日までに
    • Who(誰に): 管財課の担当者(内線:1234)へ
    • How(どのように): 専用のExcel様式を添付したメールにて
    • What(何を): その月の消耗品在庫数を報告する。
    • 注意点: 担当者が不在の場合は、課長補佐へCCを入れること。

このように具体的に書くことで、後任者の「わからない」を未然に防ぎ、問い合わせの電話がかかってくるリスクを減らせます。

手順4:トラブルシューティングとQ&Aを盛り込む

通常の手順だけでなく、「困ったときの対応(イレギュラー対応)」を記載しておくと、資料の価値が格段に上がります。

  • システムエラーが出たときのシステム課への連絡手順
  • 市民の方からよくある問い合わせ(FAQ)と、模範回答トークスクリプト
  • 判断に迷ったときの過去の類似事例(判例、条例解釈、過去の決裁番号)

これらは、皆さまの長年の経験の中にしかない貴重な情報です。ぜひ「備考」や「Q&A集」として残してあげてください。

手順5:更新頻度が高い情報は別紙で管理する

関係団体の連絡先一覧、システムログイン用のパスワード、委員会名簿など、頻繁に変更される情報は、マニュアル本文に埋め込むのではなく「別紙(Excelリスト等)」や「共有サーバーの参照フォルダリンク」として管理することをお勧めします。
マニュアル本体を修正する手間が省け、情報の更新漏れを防ぐことができます。

マニュアル作成ツール「iTutor」の
導入後の費用対効果がわかるガイド

業務標準化を実現する!わかりやすいマニュアル作成のコツ

引き継ぎ資料は、ただ文字が書いてあればいいというわけではありません。後任者がパッと見て理解でき、皆さまがいなくても業務を再現できる「標準化」された内容である必要があります。ここでは、資料の品質を劇的に高めるためのテクニックを紹介します。

1. テキストだけでなく視覚的要素を活用する

文字だけのマニュアルは、読む気を削ぐだけでなく、誤解を生む原因になります。積極的にビジュアルを取り入れましょう。

  • 画面キャプチャ: 財務会計システムや住基システムの入力画面には、実際の画面のスクリーンショットを貼り付け、「ここをクリック」「このコードを入力」と赤枠や矢印を入れます。
  • 業務フロー図: 複数の課にまたがる決裁ルートや、申請処理の流れは、文章で説明するよりも、ボックスと矢印を使ったフローチャート図を入れる方が一目瞭然です。
  • 写真: 書類のファイリング方法、公印の保管場所、倉庫の整理状況などは、スマホで撮影した写真を入れるのが一番です。

2. 専門用語は「誰にでもわかる言葉」に変換する

行政特有の略語(例:「実計(実施計画)」「当初(当初予算)」など)や、庁内だけで通じる隠語は極力避けましょう。もし使用する場合は、文中で最初に出てくる箇所で必ず注釈を入れます。
また、民間企業や委託業者とのやり取りが発生する場合、相手先の企業文化や特有のルール(請求書の締め日など)も注釈として記載しておくと親切です。ターゲットとなる後任者が、新採用職員や民間経験者枠の職員である可能性も考慮し、専門用語の乱用は避けてください。

3. 「理由」や「背景」を書き添える

単に「この書類を作成する」と手順だけを書くのではなく、「なぜこの書類が必要なのか(根拠となる法令第○条、要綱など)」を書き添えてください。
「理由」がわかれば、後任者は応用が利くようになり、前例踏襲による業務の形骸化を防ぐことができます。これは業務の効率化や改善にもつながる重要な視点です。

引き継ぎの「手間」と「わからない」を解消するiTutorの活用

ここまで文章や図を用いた作成方法をお伝えしましたが、それでも「画面キャプチャを撮って、Wordに貼り付けて、トリミングして…」という作業を何十回も繰り返すのは非常に手間がかかります。
特に、独自の行政システムや複雑なPC操作を伴う業務の場合、紙のマニュアルですべてを表現するには限界があります。

そこで活用をおすすめしたいのが、マニュアル作成自動化ツール『iTutor(アイチューター)』です。

iTutorの導入で変わる引き継ぎ

iTutorは、普段通りにパソコン操作を行うだけで、その動きをバックグラウンドで記録し、自動的にマニュアル化してくれるサービスです。

  • 操作ログから自動でドキュメント化:
    マウスのクリックやキーボード入力のタイミングで、自動的に画面キャプチャが取得されます。「[保存]ボタンをクリック」といった説明文も自動生成されるため、一から文章を考える必要がありません。
  • 「動画」マニュアルも同時作成:
    操作の一連の流れを動画として出力することも可能です。文字では伝わりにくいマウスの動き、処理の待ち時間、画面遷移のスピード感も、動画なら見たまま直感的に伝わります。新人職員への教育用教材としても最適です。
  • 資料作成時間を大幅短縮:
    これまで数時間~数日かかっていたキャプチャの切り貼りや説明文の入力作業が、iTutorを使えば数分で完了します。浮いた時間は、対面での引き継ぎや、デスクの片付け、挨拶回りなど、人間にしかできない業務に充てることができます。

行政・企業での活用事例

多くの企業や自治体で、iTutorは業務引き継ぎやシステム更新時のマニュアル作成ツールとして導入されています。
「前任者の操作動画を見るだけで、複雑なシステム入力も迷わずできた」
「マニュアル作成の手間が半分以下になり、引継ぎ残業がなくなった」
といった声が多く、働き方改革やDX(デジタルトランスフォーメーション)の一環としても注目されています。

料金プランや詳しい機能、導入事例については、ぜひ公式サイトの資料をご確認ください。無料トライアルを利用して、まずは一つの定型業務だけでも「自動作成」の快適さを体験してみてはいかがでしょうか。

まとめ:質の高い引き継ぎ資料は組織の資産になる

今回は、行政・役所の皆様に向けて、見本となるような引き継ぎ資料の作り方と、効率化のポイントについて解説しました。

  1. 原因を知る: 属人化と完璧主義がボトルネック。まずは「業務の棚卸し」から始める。
  2. 5つの手順: スケジュール把握から入り、優先順位をつけて「目次」を作ることで見通しを立てる。
  3. 標準化のコツ: 図解や写真を多用し、「5W1H」と「根拠」を明確にして誰が読んでもわかる言葉で書く。
  4. ツールの活用: iTutorなどのツールを使い、負担の大きい操作系業務は自動化・動画化して効率化する。

引き継ぎ資料の作成は、皆さまのその部署での業務の集大成であり、最後の大仕事です。「わからない」と悩み立ち止まるのではなく、まずは小さな業務一つ、メモ書き一つから書き出してみてください。

皆さまが作成したわかりやすいマニュアルは、後任者を助けるだけでなく、その先に関わる市民へのサービス品質を維持・向上させるための「組織の資産」となります。
質の高い引き継ぎを行い、スッキリとした気持ちで次のステージへと進んでいきましょう。

当サイトでは、マニュアル作成や業務マニュアルづくりを効率化したい方へ、ダウンロード資料を多数ご用意しております。ぜひ資料をダウンロードいただき、伝わるマニュアルづくりを目指すためにご活用ください。