• 2025.11.26
  • マニュアル作成を学ぶ

【ISOマニュアル】作り方完全ガイド|製造業の現場が変わる!効率化と標準化のコツ

「来月からISO事務局の担当よろしく。まずはマニュアルの見直しから頼むよ」
ある日突然、上司からこのように告げられ、途方に暮れている製造業の方はいらっしゃいませんか?

ISO 9001(品質マネジメントシステム)の認証取得や維持・更新審査において、マニュアルや手順書の整備は避けて通れない重要課題です。しかし、いざ着手しようとすると、「何から手をつければいいのか分からない」「審査に通るための正しい構成が知りたい」といった疑問が次々と湧いてくるものです。

また、苦労して作成した分厚いマニュアルが、現場では全く読まれず、棚の奥で埃を被っているという「形骸化」の悩みも尽きません。

本ブログでは、初めてISO担当になった方に向けて、審査をスムーズに通過するためのISOマニュアルの作り方と、現場で活用される手順書の構成について徹底解説します。さらに、従来のWordやExcelでの作成に伴う膨大な工数を削減し、動画などを活用して業務標準化を効率よく進めるための最新ノウハウもご紹介します。

審査対策としてだけでなく、貴社の製造品質を底上げする「生きたマニュアル作り」の第一歩として、ぜひ本記事をお役立てください。

1. ISOマニュアル作り方の基本|製造業で求められる基礎ノウハウ

製造業においてISO 9001に取り組む際、まず押さえておきたいのが「なぜマニュアルを作るのか」という根本的な目的です。
インターネットで「ISOマニュアル 作り方」と検索すると、様々なテンプレートや規程集が出てきますが、単にそれらを穴埋めするだけでは不十分です。ここでは、現在の製造業に求められる基礎ノウハウとマニュアルの役割について解説します。

ISO 9001におけるマニュアル(品質マニュアル)の役割

かつてのISO 9001(2008年版以前)では、「品質マニュアル」という名称の文書を作成することが規格上の義務でした。しかし、2015年の改訂により、実は「品質マニュアル」の作成義務は廃止されています。現在は「文書化した情報(Documented Information)」を維持・保持することが要求事項となっています。

「それなら、マニュアルは作らなくても良いのでは?」と思われるかもしれませんが、多くの製造業においては「実務上、作成は必須」と言えます。
なぜなら、材料の受入から製造、検査、出荷に至る複雑なプロセス全体を俯瞰し、社内の共通ルールとして機能させるためには、やはり体系的な「品質マニュアル」が不可欠だからです。また、審査員や顧客に対して、自社の品質保証体制を説明するための「案内図」としても機能します。

製造業におけるマニュアル作成の3つの目的

忙しい業務の合間を縫ってマニュアルを作成する意義は、単なる「審査合格」だけではありません。以下の3つの目的を強く意識することで、作成作業の質が変わります。

  1. 顧客満足と品質の保証(製品クオリティの安定)
    誰が作業しても同じ品質の製品を供給するための「基準」を明確にします。これがISOの核心です。
  2. 業務標準化による属人化の解消
    「ベテランのAさんしかこの機械を調整できない」という状態はリスクです。マニュアル化することで個人の経験や勘を組織の知識(ナレッジ)として蓄積し、属人化を解消します。
  3. 新人教育・技術伝承の効率化
    正しい手順が可視化されていれば、教える側(OJT担当者)の負担が減り、新人も迷わず作業に入れます。

作成前に準備すべきこと・スケジュール感

いきなりパソコンに向かって文章を書き始めるのは失敗のもとです。まずは以下の準備を行いましょう。

  • 適用範囲の決定: どの製品、どの工場、どの部署をISOの対象にするかを明確にします。
  • 業務フローの洗い出し: 受注から納品までのプロセス(タートル図など)を整理し、「どこで・誰が・何を」しているか現状を把握します。
  • 既存文書の棚卸し: 既に社内にある作業標準書、QC工程表、規定類を集め、ISO規格の要求事項と照らし合わせます。

これらを整理した上で、全体のスケジュールを引き、目次構成(骨子)を決めていくのが効率的な手順です。


2. 審査に通るISO手順書構成|マニュアルテンプレートの活用

ISO担当者が最も頭を悩ませるのが、「具体的にどんな目次で作ればいいのか?」という点でしょう。
ここでは、審査をスムーズに通過し、かつ現場が使いやすい「ISO 手順書 構成」の黄金比と、製造業 マニュアル テンプレートとして使える構成案を紹介します。

マニュアルの階層構造(ピラミッド構造)を理解する

ISO文書は、一般的に以下の4階層(ピラミッド構造)で整理すると管理しやすくなります。

  • 【Level 1】品質マニュアル(Quality Manual)
    会社としての「品質方針」や「組織の全体像」を示す最上位文書。
  • 【Level 2】規定書(Procedures)
    「誰が、いつ、何をするか」という業務のルールを定めたもの(例:文書管理規定、購買管理規定など)。
  • 【Level 3】作業手順書(Work Instructions)
    現場での具体的な作業方法を示したもの。「NC旋盤操作手順」や「受入検査要領書」など、実務に直結する詳細文書です。
  • 【Level 4】様式・記録(Forms / Records)
    チェックシートや報告書など、業務を行った証拠(エビデンス)となる記録類です。

そのまま使える?マニュアル・手順書の目次構成サンプル

ISO 9001の規格要求事項(箇条4~10)に沿って構成するのが最も一般的で、審査員にとっても読みやすい形式です。以下に、製造業でよく使われる品質マニュアルの目次テンプレート例を挙げます。

【品質マニュアル 目次構成案】

  1. 適用範囲(対象製品・部署・拠点)
  2. 引用規格(JIS Q 9001:2015など)
  3. 用語の定義(社内専門用語の解説)
  4. 組織の状況
    • 4.1 外部及び内部の課題(SWOT分析などの結果)
    • 4.2 利害関係者のニーズ(顧客、規制当局、近隣住民など)
  5. リーダーシップ
    • 5.1 品質方針(トップマネジメントのコミットメント)
    • 5.2 役割・責任・権限(組織図、責任者任命)
  6. 計画
    • 6.1 リスク及び機会への取り組み
    • 6.2 品質目標の策定(達成計画含む)
  7. 支援
    • 7.1 資源(人員、インフラ、測定機器の管理)
    • 7.2 教育訓練・力量(力量マップなど)
    • 7.5 文書化した情報(マニュアル等の作成・更新・管理ルール)
  8. 運用(※ここが製造業の心臓部)
    • 8.1 運用の計画及び管理
    • 8.2 製品に関する要求事項(受注・契約審査)
    • 8.3 設計・開発(※設計部門がない場合は適用除外可能)
    • 8.4 外部提供者(購買管理・外注先管理・受入検査)
    • 8.5 製造及びサービスの提供(製造工程管理、識別・トレーサビリティ)
    • 8.6 製品のリリース(最終検査・出荷判定)
    • 8.7 不適合なアウトプットの管理(不良品発生時の処置)
  9. パフォーマンス評価
    • 9.1 監視、測定、分析及び評価(顧客満足調査など)
    • 9.2 内部監査
    • 9.3 マネジメントレビュー
  10. 改善
    • 10.2 不適合及び是正処置(再発防止策)

このテンプレートをベースに、自社の業務に合わせてカスタマイズしてください。

審査員が見ているポイントとは

審査員は、立派に製本された美しいマニュアルが見たいわけではありません。彼らがチェックしている最重要ポイントは、「マニュアルに書かれていること(ルール)」と「現場で行われていること(実態)」が一致しているか、という整合性です。

よくある失敗が、他社のマニュアルや市販のテンプレートをそのままコピペしてしまい、自社の実態と乖離してしまうケースです。

  • 「毎日始業時に点検記録をつける」と書いたのに、実際は週に1回まとめて書いていた。
  • 「部長が決裁する」と書いたのに、実際は現場の課長が決裁していた。

これらは全て「不適合」として指摘されます。
審査に通るコツは、背伸びをせず、現在の自社の運用実態に合わせて手順書を書くことです。もし運用が非効率なら、マニュアルに合わせて現場を無理に変えるのではなく、現場が働きやすいようにマニュアル(ルール)の方を改善していく姿勢こそが、ISOが求める「継続的改善」です。


3. 業務標準化を実現する作成手順と抜け漏れ防止のポイント

ISOマニュアルの構成が決まったら、次はいよいよ中身の記述(手順書の作成)です。ここで意識すべきは、審査に通るだけでなく「現場の作業者が迷わず動けるか」という点です。
どれほど立派な規定を作っても、現場で実行されなければ意味がなく、品質トラブルの原因になります。

「文字だけ」はNG?5W1Hと視覚要素の重要性

従来のマニュアルは、Wordで文字ばかりがびっしりと並んでいるものが多く見られました。しかし、製造現場において「部品を適切な角度で取り付ける」「異音がないか確認する」といったニュアンスを文章だけで伝えるのは困難です。
文字だけのマニュアルは「読むのが面倒」と思われ、結果として独自のやり方(自己流)が横行し、業務標準化が妨げられる最大の原因になります。

作業の抜け漏れ防止と品質安定のためには、以下の工夫が必要です。

  • 5W1Hの明確化: 「誰が(Who)」「いつ(When)」「何を(What)」するかを主語・述語を明確にして書きます。
  • 曖昧表現の排除: 「きれいに清掃する」ではなく「表面の油分をウエスで拭き取る」と具体的に書きます。
  • 視覚的要素の活用: 文字情報は極力減らし、写真、図解、フローチャートを多用して「見ればわかる」状態にします。

現場の動きをそのままマニュアル化する(iTutor活用)

視覚的なマニュアルが良いとは分かっていても、「画像の切り貼りやレイアウト調整に時間がかかる」という課題があります。そこで活用したいのが、マニュアル作成専用のツールです。

例えば、マニュアル作成ツール『iTutor(アイチューター)』を導入すると、PC上でのシステム操作や、手順の記録が劇的に楽になります。
iTutorには、普段の業務を行うだけで、その操作プロセスを自動的にキャプチャし、説明文付きの吹き出しまで自動生成する機能があります。

製造業の現場においては、以下のような活用方法が効果的です。

  1. システム操作手順: 生産管理システムや在庫管理システムの入力手順を、操作しながら自動記録し、瞬時に手順書化します。
  2. 現場作業の動画化: 複雑な機械操作や検品作業を動画として取り込み、テロップや注釈を入れて「動画マニュアル」にします。

動画であれば、ベテランの「コツ」や「カン」といった暗黙知も可視化でき、新人が見て真似するだけで正しい手順を習得できるため、教育時間の短縮にもつながります。

リスク管理と抜け漏れ防止の仕組み

マニュアルの中に「リスク」に関する記述を入れることも重要です。「この手順を間違えると、どのような不良が発生するか」「どこを確認すればミスを防げるか」という勘所(急所)を明記します。
ツールを使って画像に「注釈」や「強調枠」を入れることで、作業者が注意すべきポイントを一目で理解できるようにし、ポカミス(ヒューマンエラー)を未然に防ぐ仕組みを作りましょう。


4. マニュアル運用の効率化|更新と手間を減らす企業事例

ISO運用において最も大変なのは、作成そのものよりも「維持・管理(更新)」です。
「手順が変わったのにマニュアルが古いまま」という状態は、ISO審査で最も指摘されやすい不適合の一つです。

「作って終わり」にしない!定期的な見直しと更新

PDCAサイクルを回すISO 9001では、不具合が起きたり業務プロセスが改善されたりするたびに、手順書を最新版にアップデート(改訂)する必要があります。
しかし、一般的なオフィスソフト(WordやExcel)で作成されたマニュアルは、画像の差し替え一つとってもレイアウトが崩れたり、版数管理が煩雑になったりと、担当者の手間時間を奪います。

この「更新の面倒くささ」こそが、マニュアル形骸化の最大の敵です。更新作業が億劫になり、現場の実態とマニュアルが乖離していく悪循環を断ち切る必要があります。

作成・更新の「時間」と「手間」を削減するツール活用

更新頻度の高い製造業のマニュアル管理には、編集が容易なツールの活用が推奨されます。
iTutorは、PowerPointライクな操作画面(UI)を採用しており、誰でも直感的に編集や修正が可能です。

  • 一部だけの修正が簡単: 手順の一部が変わった場合、そのスライド(ページ)だけを差し替えればOKです。
  • ワンソース・マルチユース: 一度の編集で、手順書(ドキュメント)、動画、eラーニング教材など、複数の形式に一括で出力(更新)できます。

また、最新のiTutorにはAI機能も搭載されており、自動翻訳機能を使えば、海外拠点や外国人実習生向けのマニュアルも短時間で作成可能です。これにより、グローバル展開する製造業においても、言語の壁を越えた業務標準化が実現します。

導入企業での成功事例(サービス活用)

実際に、多くの製造業がiTutorなどのサービスを利用して業務効率化に成功しています(iTutorの導入企業の約22%が製造業です)。

ある企業では、従来WordやExcelで行っていたマニュアル作成に膨大な時間がかかっていましたが、iTutorを導入したことで、マニュアル作成時間を90%以上削減(72時間かかっていた作業を8時間に短縮)することに成功しました。
また、運送業の事例では、動画マニュアルを活用することで新人の戦力化期間を6ヶ月から2ヶ月へと4ヶ月短縮し、教育コストの大幅な削減を実現しています。

このように、専用ツールを取り入れることは、ISO担当者の残業を減らすだけでなく、会社全体の生産性向上(DX推進)にも直結するのです。


5. まとめ

ISOマニュアルは、審査を通過するためだけの「飾り」ではありません。会社の財産である「技術」や「ノウハウ」を標準化し、誰が作業しても高い品質を維持できるようにするための重要なツールです。

  • 基本構成: 規格要求事項に沿った目次を作成し、漏れをなくす。
  • 現場視点: 5W1Hを明確にし、画像や図解で「伝わる」手順書にする。
  • 効率的な運用: iTutorなどのツールを活用し、作成・更新の手間を最小限に抑える。

これらを意識することで、ISO担当者の負担を減らしつつ、現場から「役に立つ」と感謝されるマニュアル運用が可能になります。

まずは、現在のマニュアル作成業務にどれくらいの時間がかかっているかを見直し、効率化できる部分がないか検討してみてはいかがでしょうか。
iTutorでは、実際の操作感を体験できる無料トライアルや、詳細な資料も提供しています。ISOマニュアル作成の効率化をお考えの方は、ぜひ一度お試しください。

この記事を読んだ次のステップ

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